『サラリーマン大家さん“1棟目”の教科書』(峯島忠昭/ごま書房新社)

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 働かないでも食べていける生き方。経済的に自由になれる生き方。
 サラリーマンなら誰でも一度はそういう人生に憧れたことがあるだろう。しかし日々のささやかな暮らしのために人生の大半を労働に費やす人がほとんどだ。そんな働きづめの生活から抜け出したい人たちに人気なのが投資である。

 なかでも「不動産投資市場は活況が続いている」と語るのは『サラリーマン大家さん“1棟目”の教科書』(ごま書房新社)の著者の峯島忠昭さんだ。

「不動産投資市場はずっと人気が続いています。2000年にロバート・キヨサキさんの『金持ち父さん 貧乏父さん』(筑摩書房)が出てミリオンセラーになりましたよね。あの本をきっかけに株式投資や不動産投資をはじめたサラリーマンの方が多いのです。私もそのひとりでした。本に書いてあった“株はバーゲンセールのときに買いなさい”というアドバイスに従って、高校卒業後から続けていた新聞配達で貯めた600万円を元手に、2001年の9・11(アメリカ同時多発テロ)で安くなった株をまずは大量に買いました。その株が値上がりしたことが不動産投資へとつながっていったのです」

 念願の不動産投資デビューを果たしたのは25歳のとき。表面利回り11%のワンルームマンションを420万円で現金購入した。

「これが失敗でした。結局200万円ほどで売って200万円の損失が出たのです。しかしこの失敗のおかげで猛勉強をしたことが財産になりました」

 この時期、結婚して一児の父となり、宅地建物取引主任者資格の試験にも一発で合格。著名な不動産投資家の本を読みまくり、28歳で満室時の利回り70%のソシアルビルを購入したことで一気に家賃収入が増え脱サラした。メルマガをはじめとしたネットビジネスでも成功し、現在に至っているというわけだ。

その勝因はズバリ「他に選択肢がなかったからです」と峯島さんは続けた。
「僕は学歴がありませんから就職先がないんです。だからといって一生バイト仕事を続けるのも嫌だった。そうするとビジネスオーナーか投資家になるしかなかった」

 そんな峯島さんのもとには不動産投資に関する相談が山ほど寄せられるという。そこで、新刊『サラリーマン大家さん“1棟目”の教科書』をもとに、不動産投資に関心がある初心者からよく受ける相談についてアドバイスをいただいた。

【Q】不動産投資ができる最低年収はどのぐらいですか?
【A】自己資金ゼロで考えた場合、銀行から融資がつく可能性が出てくるのは年収500万円ぐらいからです。融資の金額は年収の10倍が相場ですから500万円だと5000万円の不動産投資ができます。そこから出る利益から返済や管理費、修繕費を引いて手元に残るのが年間100万円ぐらいですね」

【Q】不動産が高い時期より安くなってから買ったほうがいいのでは?
【A】不動産が高くなるのはそれだけ融資がつきやすいということです。融資がつきにくくなると不動産は安くなりますが、買える人はお金持ちや銀行とすでに取引がある人に限られます。ですから自己資金がなくても融資がつきやすい今は、不動産が多少値上がりしても買ったほうがいいのです。

【Q】不動産投資の初心者が最初にやるべきことは?
【A】まず勉強することが大事です。不動産投資の成功者の本がたくさん出ているので、できるだけ自分とプロフィールが近い人が書いた本を5〜10冊は読んでください。そうすると今の不動産投資の状況がわかります。もちろん、僕の『サラリーマン大家さん“一棟目”の教科書』も初心者からよく質問されることをまとめた本なのでおすすめですよ。

【Q】なぜ1戸買いではなく1棟買いなのですか?
【A】リスク面の問題です。1戸買いでは利益がほとんど出ませんし、空き室になると赤字になります。融資に対する返済や管理費などの支払いは続きますから借金が増えていきます。1棟買いの場合は、空室が出たとしても7〜8割の住戸が埋まっていれば補填できます。 

【Q】不動産仲介会社に相談する場合、悪徳業者の見分け方のコツはありますか?
【A】電話で営業をしてくるところはやめたほうがいいですね。いい物件情報を持っている人気のある会社は電話で営業する暇がありませんから。それと特に最初はメールでやりとりしたほうがいいです。すべて証拠が残りますし、言った言わないのトラブルも回避できます。

【Q】不動産投資のポイントを3つあげるとしたら?
【A】「具体的な目標設定」「勉強して学んだ不動産投資手法」「優良物件を見つけたらすぐに買い入れするスピード」です。そのポイントをふまえたうえで必要になってくるコミュニケーション能力も大事です。結局は人と人とのつき合いですから。

【Q】不動産投資の最大のメリットは?
【A】不動産投資には成功事例がたくさんあって本もたくさん出ていますから、誰でもそのノウハウを学んで真似できます。つまり失敗しにくいのです。それにビジネスオーナーになって成功したとしても仕事は忙しいですよね。一方、不動産投資は一度買ったら管理も修繕もすべて外注すればいいので時間とお金がどちらも手に入ります。それが最大の魅力だと思います。ですから不動産投資家にはセミリタイアやリタイアする人が多いんですね。

取材・文=樺山美夏