長谷祐樹と出会い、藤宮香織は、少しずつ友達との記憶をとどめておけるようになる/(C)葉月抹茶/スクウェアエニックス・「一週間フレンズ。」製作委員会

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【連載】聖地巡礼さんぽ〜あの作品の街を歩く〜Vol.17

【写真を見る】海へ行くため4人は「聖蹟桜ヶ丘駅」の駅前で待ち合わせる/(C)葉月抹茶/スクウェアエニックス・「一週間フレンズ。」製作委員会

漫画や映画、ドラマなど、人気作品の舞台となった街を散策し、“住みたい街”としての魅力を深堀していく本連載。ここからみんなの“住みたい街”が見つかるかも?

第17回は、17年2月に実写映画の公開が決まっている、14年4月〜6月に放送されたアニメ「一週間フレンズ。」の舞台となった聖蹟桜ヶ丘周辺を紹介。

高校生の長谷祐樹は、いつも一人でいるクラスメイトの藤宮香織と仲良くなりたいと思い近づくが拒まれてしまう。彼女は、友達の記憶が一週間で消えてしまうという秘密を抱えていた。それでも祐樹は香織と友達になりたい一心で、彼女と向かい合うことに。その後、香織は祐樹や彼の親友・桐生将吾、ちょっと天然な性格の山岸沙希との学校生活を通じて、“友達”との思い出を積み重ねていく青春グラフィティ。作品中で香織たちが住む街として描かれた聖蹟桜ヶ丘。今回も、アニメに登場するスポットとともに、街の魅力を紹介する。

■ 「聖蹟桜ヶ丘駅」

8話で、祐樹が香織から「海に行こう」と誘われて、将吾や沙希と待ち合わせしたシーンなどで登場するのが、聖蹟桜ヶ丘駅前にあるモニュメントのあたり。かつて天皇が鷹狩で訪れており、行幸された土地を指す“聖蹟”と、桜の名所であることから名付けられた周辺の地名“桜ヶ丘”を合わせたのが駅名の由来だ。

駅周辺には、京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンターをはじめとした商業施設が並び、にぎわいを見せる。また、電車だけでなく、高幡不動駅行などさまざまなバス路線のハブとしての役割も担っており、大きなバスターミナルが駅の北側に設置されている。

■ 「聖蹟桜ヶ丘オーパ」

香織と沙希がクレープ店に訪れた5話のシーンなどで登場したのがこの商業施設。ヴィータ聖蹟桜ヶ丘の地下1階から6階まで入り、飲食店や雑貨店、アパレルなど約60店が出店し、各店が販売しているアイテムはリーズナブルなものが多い。そのため、地元の人からも愛されており、学校や仕事帰りなどにふらっと寄って気軽に買い物ができる。

4年ほど他店舗に勤めたのちに、再びこの店に戻ってきたという支配人の住川譲さんは「戻ってきて感じたのは、街の景色があまり変わっていないこと。駅前にさまざまな商業施設がありながら、個人商店も残っているのはこの街の魅力の一つだと思います」と話してくれた。

■ 「いろは坂桜公園」

祐樹が香織の母親と訪れたいろは坂桜公園(6話)。ここで彼女が小学生の頃の話を打ち明けられる。公園は聖蹟桜ヶ丘駅から南に向かい、住宅地へと向かっていくいろは坂の中腹にあり、作品中でも桜ヶ丘の住宅地にある香織の家からも近い。

“いろは坂”は本家の日光ほどではないが、急こう配で登るのにも一苦労。しかし、その先に待っているのは、聖蹟桜ヶ丘の街並みを見渡すことができる絶好のビュースポット。春には、公園の満開の桜とともに絶景が見られる。

■ 「桜ヶ丘山神社」

香織が記憶を失った原因を知り、彼女と距離をとっていた祐樹が、再び香織と友達に戻るきっかけとなった最終話の感動的なシーンで描かれたのが桜ヶ丘山神社。作品中では、香織が小学校の頃によく訪れた、家の近くにある思い出の神社で、実際に住宅が密集するエリアにひっそりとたたずんでいる。

450年近い歴史があるといわれ、樹木がうっそうと生い茂る様子は、どことなく神秘的な雰囲気を感じさせる。毎年8月下旬から9月上旬に行われる例大祭では、迫力満点の神輿渡御がみられる。

■ 「ベーカリー&カフェ ルパ 桜ヶ丘店」

お店そのものはアニメには登場していないが、お昼に祐樹が食べていて、香織が興味深々だった高校の購買の人気メニュー「たまコッペ」を、再現して販売しているのがこの店。店内には80〜100種のパンがラインアップされており、1回で作る量を抑え、常に焼き立てのパンが並んでいる。

人気のアイテムは、17時近くまで焼いているので、学校や会社帰りに焼き立てのパンを買えるのが魅力的。また、イートインスペースも備えており、朝や夕方はビジネスパーソン、日中は年配の方々が憩いの場として利用している。

聖蹟桜ヶ丘で育ったスタッフの光宗和哉さんは「デパートや商業施設が駅前に並び、多摩川をはじめ自然もあって、聖蹟桜ヶ丘にはなんでもあるので、とても便利。それに京王線やさまざまな路線のバスなど、交通の便もよく本当に住みやすい街だと思います」と話してくれた。

駅前には、京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンターや、聖蹟桜ヶ丘オーパといった商業施設が立ち並び、駅から少し歩けば多摩川の河川敷や、大栗川沿いの遊歩道がある。そして、大栗川を越えて南へ行けば、このエリアの地名の由来となった桜をはじめとしたさまざまな樹々が生い茂る丘となっており、そこには住宅地が広がる。どれが主張するでもなく、そのすべてがバランスよく共存しており、さりげない日常が繰り広げられている。

1週間で記憶をなくす香織と、彼女と友達になろうと何度も向き合う祐樹の二人を中心に描いた「一週間フレンズ。」。そんな祐樹たちが繰り返しおくる何気ない日々は、さりげない日常が広がる街の雰囲気にもマッチしている。そんなアニメに登場したスポットとともに、聖蹟桜ヶ丘の魅力を体感してみてはいかが。【東京ウォーカー/小松孝裕】

第18弾は8月下旬配信予定