韓国紙・中央日報が中国共産党系の環球時報をやり玉に挙げ、「口汚い」と論難している。THAADの在韓米軍への配備をめぐり、中国は強く反発。きしみが目立つ最近の中韓関係を端的に象徴している。資料写真。

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2016年8月5日、韓国紙・中央日報が中国共産党系の環球時報をやり玉に挙げている。題して「中国の『口汚い』環球時報をどう見るべきか」。最近の中韓関係は、中国が強く反発する高高度迎撃ミサイル(THAAD)の在韓米軍への配備をめぐり、きしみが目立つ。それを端的に象徴するような記事だ。

環球時報は中国共産党中央委員会機関誌「人民日報」の国際版。中国語のほか、英語版もある。中央日報は環球時報について、月〜土曜日週6回発行、部数は約200万部で、「主な読者はホワイトカラーなど知識人階層が多い。インターネットサイトである環球網の訪問者も1日1000万人を超える」などと紹介している。

中央日報は朝鮮日報、東亜日報と並ぶ韓国の三大紙。サムスン財閥系で政府寄りの保守系紙とされ、発行部数は約130万部と朝鮮日報に次いで2番目だ。

中央日報が環球時報の性格を示すエピソードとして取り上げたのは今年2月、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が国営メディアを視察した際の様子。人民日報に立ち寄った習主席が「私の事務所にもこの新聞がある」と話し、環球時報を手にした場面が夕方のテレビニュースを通じてそのまま放映された、と説明した。

その上で、「党の方針すなわち中国の進む道を知ろうと思うならば人民日報の文章に下線を引きながら精読する必要がある」としながらも、「国際問題に関する中国の立場を垣間見るには、人民日報ではなく環球時報を読まなければならない」と指摘した。

環球時報の「表現が荒っぽく内容は脅迫に近い」報道ぶりに関しては、THAAD配備をめぐり「賛成した韓国政界要人の中国入国を制限し、その家族の企業を制裁せよ」「配備に関する企業との交流を中断して、その会社の製品の中国輸入を許すな」「中国人民解放軍はミサイルでTHAADを狙え」などと報じたと例示。「韓国だけに口汚い姿を見せているわけではない。米国や日本、台湾さらに北朝鮮も環球時報から袋だたきにされるのが常だ」と付け加えた。

過激な論調の背景としては「改革・開放の風と共に中国の報道機関もかなり以前から無限競争の市場に追い出された」と分析。「記事は市場で読者の興味を引くことができるよう徹底して商業性に土台を置いて作られる。大衆に迎合するための口語体中心の荒々しい表現が多くなることになった」などとみている。

その一方で、中央日報は「元老が消えた中国政界での党内派閥競争は一般世論の支持を受ける側に展開している。世論形成に大きな影響を及ぼす環球時報の『韓国たたき』報道を一介の商業紙の扇情的な報道として流すことはできない」と注意を喚起。「環球時報は中国の公式な立場を伝える通路ではないが、少なくとも中国の不満を排出する窓口にはなる」などと言及している。(編集/日向)