【試乗】クルマとしての底力が上がった新型マツダ・アクセラ!

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日本の速度域なら1.5リッターディーゼルでも十分

マイナーチェンジレベルではない変更が加えられた新型アクセラ。主な変更点は

・「Gベクタリングコントロール」の搭載
・1.5リッターディーゼルターボの追加
・ディーゼルエンジンへの「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」の採用
・安全装備の充実

などである。


マイナーチェンジの詳細は以前お届けした『

踏み込み量にもよるが、クルージングからの加速でアクセルペダルを踏み込んだ際、シフトダウンせずともトルクがあるからスッとクルマが前に出る。

いくら今どきのオートマティックトランスミッションが賢いとはいえ、アクセルを踏み、その踏み込み量や踏み込み速度を検知してからシフトダウンを行うため、踏み込んでからのタイムラグは発生する。シフトダウンせずともクルマがスッと加速するというのは、運転していて非常にラクだ。

続いて2.2リッターディーゼルターボへと乗り替える。なるほど、ひと踏みで、なぜディーゼルに2つの排気量をラインアップしたのかわかる。そのぐらいトルク感が違う。

たとえば首都高など短い加速区間しかない高速の合流で、本線を走るクルマと並んでしまい、前に入りたいと判断。アクセルをグッと踏みこめばそれがすぐに完了するのが2.2リッターだ。単純に加速度という意味で1.5リッターとは差が大きい。とくにゼロ発進、高速域ではその恩恵が感じられるだろう。

今回ディーゼルターボエンジンは、アクセル操作に対するレスポンスを向上している。簡単にいえば、アクセル操作に対して、「排ガス再循環(EGR)」に回す排ガスの割合を減らし、その分タービン側に送ることでターボラグを減らすという仕組みだ。

実際マツダのデータでは、0.4〜0.8秒程度、反応速度が向上しているという。新旧比較をしていないので、レスポンス向上を体感した、とはいえないが、少なくともアクセル操作と加速の関係でいえば、概ね満足のいくものだった。

ただし、1.5リッターディーゼルターボに関しては、中速域でアクセルを全閉してから再度踏み込んだ際、レスポンスの鈍さを感じた。

当然前述のEGRのコントロールは行っていいるが、2.2リッターが大きいタービンと小さいタービンを併用していて小さいタービンを先に立ち上げるのに対し、1.5リッターはその中間ぐらいのサイズのタービンを使用しているので、タービンの回転が上がるまでに2.2リッターよりも時間がかかるケースがあるのだという。

「効き」が感じられなかったGベクタリングコントロール

さて、気になるGベクタリングコントロールだが、「今効いている」というような感覚はまったくなかった。簡単にいえば、Gベクタリングコントロール付きのクルマだけに試乗した今回、効果がわからなかったのだ。

なので、新型アクセラのコーナリングを純粋に評価したい。あまり路面がキレイとはいえない首都高速、及び一般道のコーナーでも、コーナリング中にステアリングを修正することが少なく、狙ったラインをトレースすることができた。

左右に切り返すようなシーンもあったのだが、リヤが遅れるようなこともなく安定した動きを示す。このあたりは、走行中の安心感に繋がるので、結果、運転による疲労も少ないだろう。


Gベクタリングコントロールの効果か否かはともかくとして、全体としては俊敏な動きではないが、ステアリングの操作に対して十分クルマがリニアに反応してくれた。実用車の走りとしては、自信をもってオススメできる。

さて、カメラを装備し、クルマだけでなく人も検知できるようになった自動ブレーキはもちろん試すことはできないが、「交通標識認識システム(TSR)」は便利だった。これは、速度や止まれなどの標識をカメラで読み取って表示、設定によっては速度超過などを警告するシステムだ。

カラー化し、解像度も高めたヘッドアップディスプレイに表示されると、それだけでも安全への意識が高まる。うっかり一時停止無視、なんていうシーンも減るだろう。

残念なのは、全車標準装備ではないことだ。衝突軽減・回避ブレーキの「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート」や、斜め後ろの死角にいるクルマを知らせてくれる「ブラインド・スポット・モニタリング」なども含めた安全装備のi-ACTIVSENSEは非常に有効な装備。コストとの兼ね合いはわかるが、全車標準装備を望みたい。

今回の新型アクセラ。投入された技術はどれも相当に研究し、開発された驚くべきものだ。しかし、Gベクタリングコントロールも、ディーゼル特有のノック音を軽減するナチュラル・サウンド・周波数コントロールも、ディーゼルエンジンのレスポンス向上にしても、旧型を日常的に乗っているオーナーが意識して乗れば気がつく、というような内容だろう。

そして新たなオーナーが乗れば、「静かなディーゼル」「思ったとおりに走れるクルマ」など、単に質の高いクルマとして認識されるのだと思う。

個人的には、こうしたクルマの底力を上げるような進化は大歓迎だ。これをマイナーチェンジで投入してきたマツダの心意気を賞賛したい!
(文:WEBCARTOP編集部 石田貴臣/写真:木村博道)