【格安スマホの超基本】格安SIMはどんな端末で使えるの?

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格安SIMを使うには、対応する端末が必要になります。しかし、よくわからないまま購入すると、通信プランとスマホの相性が悪くて使えないなんてことも。そこで本記事では、「格安SIMで使える端末」について解説します。

SIMロックについて

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格安SIMを運用する場合、もし自分が今持っているスマホをそのまま使えたら、一番安上がりですよね。しかし、それができる条件は限られます。

少し遠回りになりますが、まず前提知識として「SIMロック」について解説しておきましょう。

P1120582 スマホはSIMカードが入っていないと通信できない

そもそも、大手キャリアで契約したスマホは、予めSIMカードがセットされた状態になっています。例えば、NTTドコモのスマホには、NTTドコモのSIMカードがセットされています。当たり前ですが、この状態で通信できます。

では、友人が使っているソフトバンクのスマホからSIMカードを抜き取って、自分が所有するNTTドコモのスマホに挿し換えたら、どうなるでしょうか。残念ながら、この場合には通信が利用できません。

P1120587 NTTドコモのSIMをauのスマホに挿しても使えない

実は大手キャリアが販売するスマホには、「SIMロック」と呼ばれるプロテクトが掛けられています。これにより、他社の通信プラン(SIMカード)は利用できないようになっているのです。

逆に言えば、「提供会社と同じ回線のSIMカードは使える」ということになります。

【原則1】端末と回線の提供元キャリアが同一ならSIMロックが掛かっていても使える場合が多い

SIMロックは解除できる

繰り返しになりますが、キャリアで販売されているスマホには、SIMロックが掛かっているため他社のSIMカードをセットしても利用できません。

しかし、2015年5月には、SIMロック解除が義務化されました。これ以降に発売された端末では、一定の条件を満たすことで、SIMロックを解除できます。

WS000138 ソフトバンクの場合、SIMロックの解除は「My SoftBank(オンライン)」や「ソフトバンクショップ(店舗窓口)」で対応。店舗では手数料がかかる

そして、SIMロックを解除した端末なら他社のSIMカードをセットして使える場合があります。

【原則2】SIMロックを解除した端末なら他社プランが使えることもある

SIMロック解除は万能じゃない

ただし、「SIMロックを解除した端末なら他社プランが使える」と断言するのは語弊があります。通信方式や周波数や対応していない場合、SIMロックがなくても通信できなくなる場合があるからです。

まず、3Gの通信方式について、NTTドコモやソフトバンクでは「W-CDMA」を、auでは「CDMA2000」を採用しています。双方に互換性はありません。

LTEが普及した現在も、3Gは「LTEが使えない場合の通信」や「VoLTEではない音声通話」に利用されています。つまり、NTTドコモのスマホでauのSIMカードが使えたとしても、一部の通信は利用できないというわけです。

 

WS000143 NTTドコモの「Xperia X Performance SO-04H」のスペック。3GはW-CDMAに対応している

 

また、対応している周波数もキャリアによって異なります。

WS000156 各キャリアの「iPhone 6s」と「Xperia Z5」の対応周波数を比較。iPhone 6sはキャリア差がないが、Xperia Z5 はキャリアによって対応バンドが異なる。黒いマスは、そのキャリアが利用していないことを示す

つまり、もしソフトバンクのスマホでNTTドコモのSIMカードを使えたとしても、機種によっては、LTE・3Gの通信が利用できない周波数帯域があるのです。

【原則3】SIMロックがなくても通信方式や対応周波数の違いで他社プランを使えない場合がある

前置きが長くなりましたが、それではまず、手持ちの端末で格安SIMを使えるケースをみていきましょう。

手持ちスマホを流用する

NTTドコモのスマホで使えるケース

さて、格安SIMは大手キャリアのネットワークを借りて提供している通信サービスです。その大部分は“NTTドコモのネットワーク”を使用しています。

つまり、NTTドコモで購入したスマホに格安SIMをセットすれば、たいてい通信できてしまうわけです。

WS000158 NTTドコモのスマホは、ドコモ回線の格安SIMで使える

ただし、格安SIMの中には、auのネットワークを使うプランもあります。「mineo(マイネオ)」「UQ mobile(ユーキューモバイル)」「Fiimo(フィーモ)」などが提供するau回線のプランは、NTTドコモのスマホでは使えません。

auのスマホで使えるケース

au回線の格安SIMは、auのスマホがあれば使えます。しかし、NTTドコモの場合と比べると、事情がやや複雑です。

WS000159 auのスマホは、au回線の格安SIMで使える。VoLTE対応機種の場合は、SIMロック解除が必要

 

まず、auは2014年の12月から「au VoLTE」を提供しています。au VoLTEは、LTEネットワークを使った高音質な通話サービスです。

そして、auのスマホで格安SIMを使いたい場合、このau VoLTEに対応しているかどうかで条件が変わります。

●au VoLTE対応機種:SIMロックを解除すれば、au回線の格安SIMで使える
●au VoLTE非対応機種:SIMロックを解除しなくても、au回線の格安SIMで使える

ソフトバンクのiPhoneをSIMロック解除するケース

ソフトバンク回線の格安SIMは存在しません。ソフトバンクは、「Y!mobile(ワイモバイル)」ブランドで低価格帯の通信プランを提供していますが、ソフトバンクとは異なる回線を使用しています。

ソフトバンクの機種を格安SIMで運用するためには、SIMロック解除が必須ですが、周波数対応の違いなどを機種ごとにチェックしなくてはならないので、あまりオススメできません。

WS000160 ソフトバンクのスマホで格安SIMを使うにはSIMロック解除が必須

ただし、2015年5月以降に発売されたiPhoneなら、SIMロックを解除して格安SIMで運用するのもありでしょう。

手持ちスマホを流用する際のまとめ

●NTTドコモのスマホ:ドコモ系の格安SIMでそのまま使える
●auのスマホ:au系の格安SIMでそのまま使える。ただし、au VoLTE対応機種はSIMロック解除が必要
●ソフトバンクのiPhone:ドコモ系の格安SIMを使うためには、SIMロック解除が必要

SIMフリー端末を使う

手持ちのスマホが壊れた(or かなり古い)ので新しい端末を購入したい。あるいは、流用できる端末を持っていないという場合には、SIMロックのかかっていない「SIMフリースマホ」を買うのがオススメです。

WS000161 筆者のおすすめはHUAWEIの「P9 lite」。3万円弱の価格で、普段使いに困らないスペックを備える

ただし、SIMフリースマホと言っても、なんでも使えるわけではありません。NTTドコモ回線向け、au回線向けの2種類があるので、目的に応じた機種を選びましょう。なお、arrows M02のように両対応のものも存在しますが、稀なケースです。

こうした機種の対応は、格安SIMの公式サイトに記載されていることが多いので、購入前には「その端末が使えるかどうか」を必ずチェックしましょう。

WS000163 格安SIMのサイトでは、動作確認機種の一覧を掲載していることが多い。上記の画面は「mineo(dプラン)」の場合。テザリング機能が使えるかどうかも確認できる

 

SIMフリースマホの入手先は?

SIMフリースマホは家電量販店やECサイトで購入できます。Webなら時間を問わずに購入可能ですが、その場合も量販店で実機を触ってみることをおすすめします。素材や質感、重さなどは、触らないとわからないこともたくさんあります。

P1030863 SIMフリースマホの入手先・その1「家電量販店」:種類が豊富に揃うので、実機を検証するには最適。ポイント還元率や値段に差があるので注意

WS000164 SIMフリースマホの入手先・その2「ECサイト」:時間を問わずに購入可能。価格の検証もしやすい。ただし、実機を確認できない

WS000165 SIMフリースマホの入手先・その3「格安SIMの公式サイト」:格安SIMとセットで購入できるのでラク。こちらも実機を確認できない

WS000166 SIMフリースマホの入手先・その4「MVNOの直販店」:一部の格安SIMは直営の実店舗を展開する。実機を確認でき、わからないことはスタッフに聴けるのも◎。立地が限られるので、近くにない場合もある

applestore_ginza SIMフリースマホの入手先・その5「Apple Store」:SIMフリーiPhoneを購入するならApple Storeも選択肢の一つだ

 

中古のドコモ・auのスマホで使う

最新端末でなくてもよいなら、中古スマホを購入するという手もあります。専門のサイトや店舗で探してみましょう。回線契約がされていないスマホを意味する「白ロム」という単語がキーワードです。

WS000167 「ドスパラ」や「イオシス」など、中古スマホを購入できるサイトが便利

ちなみに、auの3Gモデルには最初に挿したSIMカードしか使えないように「ICロック」というプロテクトが掛かっており、解除には手数料が必要となります(4G LTEに対応する機種にはかかっていません)。

 

長々と説明しましたが、端末選びで一番重要なのは、実際に触って確かめること。家電量販店や格安SIMの直営ショップに脚を運べば、きっとお気に入りの一台が見つかります。

続いて、第4回は「見落としてはいけない格安SIMの注意点」について解説します。

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(文/井上 晃)

いのうえあきら/ライター いのうえあきら/ライター

スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。