陳怡安さん

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(台北 5日 中央社)近年普及が進む3Dプリンターを活用し、障害を持つ人々のために義手を製作するボランティア活動が台湾で進められている。これは義手を必要とする依頼者と、3Dプリンターを持つ製作者を結ぶ米国の活動「E-Nabling The Future」を台湾に持ち込んだもので、依頼者は製作コストだけで義手を手にすることができる。

台湾でこの活動を推進する陳怡安さんによると、3Dプリンター製の義手の主な提供先は障害を持つ子供たち。従来の義手は1万〜10万台湾元(約3万〜32万円)以上と価格は様々だが、子供の場合、成長に合わせて頻繁に交換する必要があり、その経済的負担は大きい。

一方、3Dプリンターを使った義手は2000〜3000台湾元(約6000〜1万円)と安価。活動を通じて義手を手に入れた林志龍さんは、それまでの装飾用義手では使えなかったギターを弾けるようになったと喜ぶ。コストが低いだけでなく、重さも軽いという。

ただ、陳さんは他国と比べて身体障害者に対する理解が進んでおらず、台湾での普及は困難を伴うと問題点を指摘する。その1つは目立つ外観で、人目を避けて義手を使ってこなかった人などからは敬遠される恐れがある。

また、関係機関の認可を受けていないため正式な医療機器とはいえず、一定以上の加重には耐えられないなど解決すべき課題も多い。さらに、台湾ではデザイナーなど文系の参加者が不足しており、マーケティング能力に限りがある。

陳さんは、外観の問題を解決すべく、現在のものより見栄えのよい義手の製作したいとしているほか、さらに多くの人々に義手を届けられるよう、より多くの人にプロジェクトに参加してほしいと希望を示している。

(呉怡玲、繆宗翰/編集:杉野浩司)