【ロードスター NR-A試乗】足とボディが絶品!レースに出なくてもコレは買い

写真拡大

Ready to Race(レディ・トゥ・レース)。喧嘩上等ならぬ、レーストラックでバトルするために仕立てられたマツダ「ロードスター」が「ロードスター NR-A」。

手軽にモータースポーツを楽しめるよう、メーカーであるマツダ自らが仕様を最適化して設定した異色のグレード。エンジンこそドノーマルであるものの、ボディ剛性が引き上げられ、サスペンションやブレーキも強化されています。

最大のポイントは価格。264万6000円。モータースポーツ向けのベース車両で装備が質素とはいえ、このプライスはとてもリーズナブルです!

ところで皆さんは、「サンデーレーサー」って言葉、聞いたことありますか? 休みの日にサーキット走行を楽しむアマチュアドライバーのこと。普段使いしている愛車に必要最小限の装備(大抵は安全装備)をプラスして走る人もいれば、サーキットを走るためのクルマを別途、用意している人もいます。

サンデーレーサーにとっては実のところ、クルマなんて楽しめればなんだって構わないのです。とはいえ唐突ですが、ここで宮本武蔵の唱えた習得論が活きてきます。

「実践を通じて技術を磨く」。この場合、剣の道ではなくサーキットトラック上ですが、走れば走るほどドライバーのスキルもアップするというものです。その上達に応え、次の習得すべき課題を見せてくれて、ラップタイムまで削ってくれる…。となると、クルマはなんだっていい、わけはありません。ロードスター NR-Aこそ、まさにベストな1台なのですね。

でも今回のレポートは、NR-Aでサーキット道を極めるという話ではなく、そんなNR-Aを日常使いしてみたらどうか? がテーマ。早速、出掛けてみましょう。

マツダ ロードスター NR-A

 <関連記事>
 【検証2015年の注目車】マツダ「ロードスター」の新星、RSの走りは本物か?
 ロードスターの核心・マツダ 山本修弘(1)問い続けるスポーツカーの理想
 【オトナの社会科見学】開発陣の理想をカタチに!マツダ ロードスター“工房”探訪

 ■骨格の要であるPPFも強化済み

まずはサスペンション。ショックアブソーバーはビルシュタイン社製の車高調整機能付きスポーツタイプを標準装着。約30mmの車高調整幅があり、試乗車は調整範囲の中で最も車高が下がった状態でした。そしてタイヤは、オプションとして設定されているブリヂストンの「ポテンザ RE-11A」。

マツダ ロードスター NR-A

固めたアシに下げられた車高。そしてスポーツタイヤ…。ガチガチなんじゃないの? と一抹の不安。ところが実際は、リニアなロールやピッチングがナチュラルに感じられるしなやかさがあります。ステアリングホイールを切るとフロントがロールしてからリアが付いていく感じ。ロードスターの持ち味が活きています。ステアリング切ったらパキッとリアが着いてくる反応が好きなドライバーも多いでしょうが、クルマの挙動がいろんな感覚を通じて得られやすい=初心者にも優しい、ロードスターの美点がNR-Aには継承されています。

マツダ ロードスター NR-A

駆動系には、トルクセンシング式スーパーLSDを採用しています。LSDの効き自体も強化されているようで、よく動くロードスターのアシとも好相性だと思います。

エンジンはドノーマル。これは賛成ですね。エンジンはパワーを上げると熱対策などが必須になります。そうなると、モータースポーツのベース車両にしてはお金が掛かってしまいますから。でも、ドノーマルなのにNR-Aはラジエターが大型化され、冷却性能がアップされています。サーキット走行では高回転を維持する時間が増えますからね。目に見えないところだからこそ、これはうれしい仕様です。

マツダ ロードスター NR-A

カタログ等では公表されていませんが、ロードスターの駆動系の骨格を構成する“PPF(パワープラントフレーム)”も強化されているとのこと。輸出仕様である「MX-5」は2リッターエンジンを搭載しますが、このMX-5に使われている強化型のPPFが、NR-Aには採用されているという話です。これだけでもお得な感じです。

試乗車にはガッツリとロールバーが付いていましたが、これはオプション。サーキット走行や競技へ参加する場合、ロールケージの装着が定められていることは珍しくありませんので、その気になったら必要な装備です。基本、転倒した時にドライバーを守る安全装備ですが、ボディ剛性アップにも寄与します。

マツダ ロードスター NR-A

その点、試乗車に付いていたロールバーは、剛性アップに余念がないため、乗り降りする際の間口が狭い! 変な体勢で踏ん張って乗るものだから、フロアカーペットがズレるなんてこともしばしば。準備体操してから乗るのがオススメです。体がツリますよ。

でも、このロールバー装着はオススメです。取付費用込みで21万3548円のオプションですが、ボディにガシッと塊感が出て、ステアリング操作に対し、サスペンションがダイレクトに動くフィーリングが高まります。

加えて、ノーマルモデルよりも大径のブレーキローターが装着されるなど、目に見えるところ、目に見えないところ含め、いろいろとオイシイ仕様になっているNR-A。同様のモディファイを加えるとなると、強化PPFに換装、という無理めなメニューを省いたとしても、ざっくり追加費用は50万円を下らないと思います。なんてオイシイんでしょう。

マツダ ロードスター NR-A

街乗りでは、上手に引き締められた乗り味に辟易するどころか、ワクワクさせられました。日常使いにこそNR-A、大いにアリだと思うのです。オプションのロールバーを装着すると、乗り降りにかなり難儀しますが、茶室の入り口が低いのと同様、ドライビングへの礼節だと思えば、気持ちが引き締まる思いです。あぁ、もっとNR-Aで走りたい!

マツダ ロードスター NR-A

<SPECIFICATIONS>
☆NR-A
ボディサイズ:L3915×W1735×H1235mm
車重:1010kg
駆動方式:FR
エンジン:1496cc 直列4気筒 DOHC
トランスミッション:6速MT
最高出力:131馬力/7000回転
最大トルク:15.3kg-m/4800回転
価格:264万6000円

(文/ブンタ、写真/グラブ)