甲子園に出場する高校野球“二刀流”候補生たち

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「カッコイイから、あいつに似合う」

 中京大中京(愛知)が2009年夏に甲子園を制した際、大藤敏行監督(当時)がこう語った。全国制覇の原動力となったのは、堂林翔太(現・広島)。「4番でエース」に任命した理由を問われ、極めてシンプルに理由を話したのだった。

 高校野球の花形ともいえる「4番・投手」。抜群の身体能力、野球センスを武器に投打でチームの中心となる選手は、いつだって少年少女たちの心に響く存在だった。

 プロ野球界では大谷翔平(日本ハム)が“二刀流”として超人的な活躍を見せ、注目と声援を集めているが、近年の高校野球では投球へのプライオリティーが増し、中軸を担うエースが減少中だ。

 しかし、そんな時勢でも「打てるエース」は少ないながらも健在だ。今夏、甲子園で“打撃”も期待される投手を紹介しよう。

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■藤嶋健人(愛知・東邦/右投右打)

 激戦区・愛知を勝ち抜き、春夏連続の甲子園を決めた東邦の「4番・エース・主将」の大黒柱は藤嶋健人だ。

 投げては最速146キロ、打っては高校通算48本塁打。プロスカウトの多くが「投打どちらもいい、どちらで評価すればいいのか悩む」とニンマリするほどの野球センス。

 『中学野球太郎』でのインタビューでは、漫画『MAJOR』の主人公・茂野吾郎を目指していると語っていた。最後の夏、甲子園で漫画のような活躍を期待したい。

■藤平尚真(神奈川・横浜/右投右打)

 昨夏の甲子園では東海大相模(神奈川)のエース・小笠原慎之介(現・中日)が9回の一発で全国制覇を手中に収めたが、今年は同じ神奈川県勢の藤平の打撃に注目。

 最速152キロの本格派で「高校ビッグ3」の一角に数えられるが、中学時代には陸上・走り高跳びで全中2位、ジュニアオリンピックで優勝した経歴も持つ驚異的な身体能力の持ち主だ。

 『中学野球太郎』で中学3年時に取材した際には、学校には陸上部がなく大会前に突貫練習。全中2位になった際は学校の備品のスパイクを履いていた──など、驚きのエピソードを明かしてくれた。

 そんな藤平だが、今夏、打撃も絶好調。ベスト4をかけた横浜隼人戦では2打席連続で本塁打を放っている。選手層の厚い横浜ゆえに打順は7番だが、平田徹監督は「飛ばす力はプロ級」と絶賛。この夏、甲子園でドデカイ一発を放てば、二刀流も視野に入るだろう。



■寺島成輝(大阪・履正社/左投左打)

 こちらも「高校ビッグ3」の一角。最速149キロのストレートを持ち、高校ナンバーワン左腕の呼び声も高い寺島もバッティングには大いに期待できる。

 逆方向にも長打を放てる力強さに加え、この夏の大阪大会では、岡田龍生監督が「狙ってこい」と言った場面で見事に本塁打を放つ集中力も。



■そのほか注目の“二刀流”候補たち

 そのほかでは、北海(南北海道)の「4番・エース・主将」を務める大西健斗、東北(宮城)で3番を打つ変則左腕の渡辺法聖など、打撃も期待される投手は多い。スーパーな彼らの「打って投げての大活躍」は見られるのか?

文=落合初春(おちあい・もとはる)

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