EVレース第3戦でミライvsクラリティの燃料電池車ガチンコ対決!

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JAVRA第3戦が初となるツインリンクもてぎで開催

栃木県にあるツインリンクもてぎで、JEVRA(全日本電気自動車グランプリ)シリーズの第3戦が開催された。もてぎでの開催は、このEVレースシリーズ初となる。EVにとって高低差の大きなツインリンクもてぎのサーキットは、難攻サーキットの一つといえる。

1周が4801mのコースは、ホームストレートから5コーナーまでのストップ&ゴーが続く平坦な前半セクションと、S字、V字、ヘアピンと上り、一直線に下るダウンヒルストレート、90度コーナーから最終コーナーまでの上りという高低差のある後半セクションという2つの性格の異なるコース・レイアウトを取る。EVにとっては、この下りの区間をいかに使うか、が肝となる。ちなみに、 JEVRAシリーズ第3戦はこのコースを10周する50kmレースだ。

今回は8クラス合計11台が参戦する。中でも注目は、燃料電池車のEV-Fクラスだ。開幕戦からトヨタMIRAIが参戦をしているが、今回はホンダの燃料電池車 クラリティFuel Cell(ドライバーは菰田 潔選手)がシリーズ初参戦を果たす。ドイツのWRCラリー、そして新城ラリーに参戦し、このEVレースには前戦から挑戦を開始した国沢光宏選手のトヨタMIRAIとガチンコの対戦となる。

この注目の2台の展開も気になるが、レースを常に引っ張ってきている最強コンバートEVともいえる#39 ウェルマー☆ビルズ☆FT86EV(金沢秀好選手)をどこまで追い詰めることができるかにも注目が集まった。

トップ争いも注目だが、コース全長の長いもてぎでは各クラスに参戦する各車の戦術も異なってくる。このレースはトップのマシンがチェッカーを受けたらレースは終了。その後チェッカーラインを通過すれば完走扱いとなる。50kmのレースで50kmを走るのはトップと同一周回のマシンのみ、である。ラップダウンされれば、その分走行距離が短くなる。1ラップダウンの45kmだけ走行する計算で走れば、最初からペース配分が変わるのだ。

しかしペースが上がれば、ラップダウンされる可能性も少なくなり、クラス内の戦いではこのトップとの差、ペース配分をあらかじめ計算しておく必要がある。最後に余った電力をフルで出そうとしても、バッテリーの発熱によってセーブモードに入ってしまうこともあるからだ。

気になる予選は午前9時5分から15分間で行なわれた。水素の消費を抑えたいFCV勢はもちろん、気温上昇でバッテリー温度の上昇を嫌うEV勢も最小周回でアタックを終了。トップタイムは、ここ数年の絶対王者ともいえるトヨタ86をコンバートしたコンバートEV「#39 ウェルマー☆ビルズ☆FT86EV(金沢秀好選手)」で、タイムは2分38秒888。

続くのは、2台のリーフ。燃料電池車は、予選4番手に国沢選手のMIRAI、そして9番手に菰田選手のクラリティと出遅れた感のある結果となった。

充電のために5時間弱のインターバルを開けて迎えた決勝。天気は時折太陽が隠れることはあったものの大きく崩れることはなく、30分ほどの決勝レース中の路面もドライのままである。レースは、ポールポジションからスタートした金沢選手(#39 ウェルマー☆ビルズ☆FT86EV)が先行し、まったく危なげなくレースを走り切り、シリーズ11勝目をマークした。

注目の燃料電池車(FCV)では、4番手スタートの国沢選手が車両の発熱によるセーブモードを避ける走りを展開。セーブモードに入ったり、セーブモードが解除されたり、といった状況のままスロットルを微妙に調整しながら走行を続ける。

序盤から前に出る必要もないということで、当初はグリッドと同じ4番手を走行。前を行くピュアEVが徐々にタレてくるのを待って、後半に追い上げをする展開。うまくポジションを上げ、最終ラップでは2番手に浮上し、そのままチェッカーを受けた。

もう一台の燃料電池車である菰田選手がもち込んだクラリティFuelCellは9番手からスタートがスタートダッシュを決め、6番手までポジションアップ。

菰田選手はレース中、速くて燃費の良い走りのポイントを探りながらの走行ということで、レース中は順位を上下したが最終的にはスタートグリッドと同じ6位でフィニッシュ。「(足まわりを変更しているトヨタMIRAIに対して)ノーマルタイヤでは厳しかったですね。回生で得た電気を立ち上がりの加速を載せるタイミングでうまく使用すればタイムアップにつながるということがわかってきました。バッテリーの使い方がわかってきたところですから、クラリティのにはぜひ継続して参戦をさせてもらえたらと思います」とコメントした。

(文・写真:青山義明)

【リザルト】