蔡総統、総統府前で先住民デモ隊と対話  今月中にも集落訪問へ

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(台北 5日 中央社)原住民(先住民)族の日の1日に、原住民に対する不平等な扱いについて謝罪した蔡英文総統は3日午後、総統府(台北市)前で抗議を行うデモ隊の前に姿を現し、参加者の声に耳を傾けた。

デモ隊は同日午前に開いた記者会見で、1日の式典は心のこもった謝罪ではなく、原住民が統治者に謁見する儀式にしか見えなかったと批判。原住民問題の解決などのために総統府に設置される委員会の実行力にも疑問を呈した。

また、参加者の一部は、原住民の声を蔡総統に届けようと、約1カ月前に南部・屏東県の恒春を出発。政府などに土地を収奪された各地の集落を徒歩で訪問し、総統府前に到着したという。

自身も原住民の血を引き、中華民国(台湾)の総統として初めて原住民に謝罪した蔡総統。デモの参加者で、5月の総統就任祝賀式にも出演した原住民歌手、巴奈・庫穂さんが涙ながらに「我々はずっと騙されてきた」と訴えた際には、「私はあなたを騙していない」と返した。

さらに、蔡総統は「私にもう少し時間をください」「いつでも私に会いに来て」などと巴奈さんに語りかけたほか、デモ隊に対しても、今後の取り組みは原住民族基本法に基づき進めるが、必要があれば新たな法律をつくると約束した。

同日夜には、デモ隊から受け取った「歴史正義」と書かれた旗を総統府のオフィスに飾り、その様子を写した写真を自身のフェイスブックに投稿。コメントで「ともに多様で平等な国をつくろう」と国民に呼びかけた。

国家安全会議の姚人多諮問委員によると、蔡総統は早ければ再来週にも原住民の集落を訪問し、意見を聞くという。

(葉素萍/編集:杉野浩司)