「アルゴリズム」という名の建築家が街をつくってみたら

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映画『インセプション』を思い起こさせるこの不気味な街は、アルゴリズムによってデザインされている。コンピューテーショナルデザインによって奇妙な景観の数々を描き出したダニエル・ブラウンは、この世界に何を見出そうとしているのか。

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『WIRED』日本版、最新号VOL.24は「NEW CITY 新しい都市」 特集!

8月9日(火)発売の最新号『WIRED』VOL.24は「新しい都市」特集。ライゾマティクス齋藤精一と歩く、史上最大の都市改造中のニューヨーク。noiz豊田啓介がレポートするチューリヒ建築とデジタルの最前衛。ヴァンクーヴァー、ニューヨーク、東京で見つけた不動産の新しいデザイン。未来の建築はいま、社会に何を問い、どんな答えを探していくのか。第2特集は「宇宙で暮らそう」。宇宙でちゃんと生きるために必要な13のこと、そして人類移住のカギを握るバイオテクノロジーの可能性を探る。漫画『テラフォーマーズ』原作者が選ぶ「テラフォーミング後の人類が生き残るための10冊」も紹介する。そのほか、NASAが支援する「シンギュラリティ大学」のカリキュラム、米ミシガン州フリントの水汚染公害を追ったルポルタージュ、小島秀夫+tofubeatsの「未来への提言」を掲載!

異星を思わせるコンクリートに、そこにある幾何学的なパターン、暗い窓。ダニエル・ブラウンの写真には、そうした風景が写し出されている。巨大な宇宙船か、はたまたディストピアの世界をも思わせる。

ロンドン在住のデザイナーであり、プログラマーでもあるブラウンは、写真を加工するために新しいデザイン手法「ジェネラティヴデザイン」(コンピューテーショナルデザイン、アルゴリズムデザインとも呼ばれる)の自作ソフトウェアを使用している。彼はそれを使い巨大で複雑な3Dパターンをつくり出し、そこから何かおもしろいものを見つけるまで、ただひたすら探し続ける。

こうしたプロセスは、彼を手品師にしたり、探検家や芸術家にも変身させる。

アルゴリズムのなかに発見を求めて

2003年に事故に遭ったブラウンの手には、障害が残ってしまった。そこで彼は、筆や鉛筆を握る必要がないツールを探し求めた。

ジェネラティヴデザインは、一部の楽曲や画像、彫刻などにも使用され、理想的なツールにも思える。ブラウンは自ら発展するような「Reverse Archeology」といった都市をつくるために、このジェネラティヴデザインを用いた。

彼の最近の作品「Dantilon: The Brutal Deluxe」では、四角い形状を使った巨大な構造物がソフトウェアで描かれている。「架空の街をつくるために、アルゴリズムをプログラミングしていくのです。自ら描くわけでもなく、3Dモデルでつくってもいないような建物や構造物が、この街には存在します」とブラウンは語る。

ブラウンは、ランダムな数字をこつこつとプログラムに入力することから始め、幾何学の概念を使ってユニークな形をつくり出している。おもしろい形を見つけ出すまで、ブラウンは数時間もかけて地形を詳しく調べ上げる。そして、ある形状を切り取り、気に入った形になるまでそれを何度も微調整する。そして、1970年代のアパートメントの何気ない写真の断片をプログラムによって当てはめていく。でき上がった建物は、巨大で不格好。果てしなく続く迷路のようだ。

こうして描かれる光景は、映画『インセプション』を思い起こさせる。ブラウンは自らつくり出したその街を「何かを創造するチャンス」ととらえ、自由に探索するという。

「発見と達成感というある種の感覚を味わう機会をもたらしてくれるんです。ある人が山を登る代わりに、わたしはこの数学の空間でそうしたものを追い求めています。いまだ誰も到達したことのない、美しい目的地を探すのと同じ理由ですね」

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8月は「新しい都市」を考えるためのイヴェントが目白押し! チューリヒの最新コンピューテーショナルラボを取材した豊田啓介(noiz)がデジタルネイティヴな建築の未来を語り(【満員御礼】8/8開催)、齋藤精一(ライゾマティクス)は大改造中のニューヨークで体感したまちづくりの新しいかたちを語る(8/17開催)。弊誌編集長による「WIRED on WIRED」も開催(8/7イヴェント終了)。