子どものために都会にも緑を(画像はイメージ)

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緑地が多い都市部に住む思春期の子どもは、少ない場所に住む若者に比べ、心理的にも肉体的にも攻撃性が低い――そんな研究結果が米、南カリフォルニア大学の研究者らによって発表された。

研究は、1990〜1995年に南カリフォルニアで生まれた子ども1287人を対象としている。まず、2000〜2012年までの間、定期的に子どもたちの親への聞き取り調査を実施し、反社会的行動の傾向の有無、具体的には他人を肉体的に傷つける、脅迫する、器物破損といった行動がないかを確認した。

さらに、居住地周辺の緑地の広さや量は、衛星写真を用いて「NDVI(植生指数)」と呼ばれる植物の分布状況を示す指標から算出。緑地の広さや多さと、子どもたちの行動傾向との関係を分析している。

その結果、住宅周辺に緑地が多かった子どもは、少なかった子どもに比べ、攻撃的な行動をとる傾向が減少していた。特に、住宅の周辺1キロ以内に公園や菜園、自然林などの形で緑地があり、短期(1〜6か月)、長期(1〜3年)で緑地に頻繁にアクセスしていた子どもは、攻撃行動の減少が顕著だったという。

さらに、緑地の効果は、子どもの年齢や性別、人種、経済的状況、両親の学歴や職業、所得、婚姻状況、喫煙の有無といった条件の違いに関係がなかった。

研究者らは、カリフォルニア州内で2〜3%の緑地を増やすだけでも、子どもたちが犯罪に関わるような攻撃的行動に走るリスクを12%低下させられると試算。「子どもたちのためにも、近所の緑を増加させるというアプローチは非常に有効だと考えられる」とコメントし、今後も緑地の効果の検証を続けるとしている。

参考文献
Environmental Determinants of Aggression in Adolescents: Role of Urban Neighborhood Greenspace.
DOI: 10.1016/j.jaac.2016.05.002 PMID:27343886

(Aging Style)