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「養子縁組を妻の両親から反対されています」。Yomiuri Online「発言小町」に、再婚相手の女性の「連れ子」との養子縁組を望んでいるトピ主から相談が寄せられました。

トピ主は3歳の男の子を持つ女性と再婚しました。再婚した妻は、現在男の子を妊娠中です。トピ主は、これから4人で暮らしていくのだから、連れ子の男の子と養子縁組を結んで、名字も変えようと考えていました。

ところが、妻の両親が養子縁組に反対しています。妻の実家には跡取りがいないため、将来男の子を跡取りとして、迎え入れたいと考えているからだそうです。つまり、妻の両親が将来男の子と養子縁組を結びたいから、トピ主とは養子縁組を結ばないでほしいという趣旨のようです。

トピ主は、1人だけ名字が違うのはかわいそうなので、今すぐ養子縁組を結びたいと考えているようです。しかし、そもそも、名字を変えるために養子縁組を結ぶ必要はあるのでしょうか。また、妻の両親が心配しているように、養子縁組をいったん結んだ場合に、将来別の人と養子縁組を結び直すことはできないのでしょうか。山本直樹弁護士に聞きました。

(この質問は、発言小町に寄せられた投稿をもとに、大手小町編集部と弁護士ドットコムライフ編集部が再構成したものです)

 ●養子縁組しなくても、名字変更の手続きは可能

まず、妻の連れ子である男の子の名字を変更するにあたって、養子縁組をする場合としない場合、それぞれ分けて検討してみましょう。

養子縁組をしない場合は、「子どもの氏の変更の手続」が考えられます。民法では、「子が父又は母と氏を異にする場合には、子は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その父又は母の氏を称することができる」(民法第791条第1項)とされています。

トピ主さんの場合、再婚によって妻がトピ主さんの名字になったということですが、男の子の名字には影響がありませんから、それだけでは男の子の名字はそのままです。

そのため、再婚によって妻と男の子の名字は異なってしまうことになります。このようなときには、まず家庭裁判所へ「子の氏の変更許可」を申立て、許可を得てから入籍の届出をすることになります。

ただし、この方法は、子どもの氏を変更するだけであり、再婚相手であるトピ主さんと男の子の間には、法律上の親子関係は成立しませんので注意が必要です。

 ●養子縁組を1度結んでも、将来別の人と結び直すこともできる

次に、養子縁組をする場合を考えます。トピ主さんと男の子が養子縁組をした場合には、「養子は、養親の氏を称する」(民法第810条)とされていますので、男の子の名字はトピ主さんと同じになります。また、養子縁組をした両者の間には法律上の親子関係も成立します。

では、トピ主さんと男の子が養子縁組をした場合に、将来、妻の両親と男の子が養子縁組をすることができるのでしょうか。法律では、既に養子になっている者が、さらに他の者の養子になることを禁止してはいません。つまり、トピ主さんと養子縁組した場合であっても、男の子は将来、妻の両親と養子縁組を結ぶことも可能です。なお、複数回養子縁組を行った場合、養子は最後に養子縁組を行った養親の戸籍に入りますので、最後の養子縁組の養親の名字になります。

よって、今回のケースでは、(1)養子縁組を行わずに、「子どもの氏の変更の手続」によって、名字を両親の苗字に変更する方法(2)男の子が再婚相手のトピ主と養子縁組をした上で、将来妻の両親とも養子縁組を結ぶ方法のいずれも可能です。

しかし、養子縁組をするかしないかは、扶養義務や相続権などの有無に関わりますし、養子縁組を解消するためには、法律が定める手続をとる必要があります。いずれの手続きをとるかは慎重に検討するべきでしょう。



【取材協力弁護士】
山本 直樹(やまもと・なおき)弁護士
「社会貢献できる仕事をしたい」との想いで弁護士を志す。交通事故・相続・離婚問題など、身の回りで起こる身近な法律問題をまじめ一筋にサポートしている。
事務所名:弁護士法人みお綜合法律事務所 京都駅前事務所
事務所URL:http://www.miolaw.jp/