「倒れたお年寄りを助けると、却って訴えられるから助けない方がいい」という社会風潮が、中国で蔓延するようになってから、すでに久しい。そこには、助ける側から見ても助けられる側から見ても、「持ちつ持たれつ」の関係を望まない傾向があるかも知れない。(イメージ写真提供:123RF)

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 「倒れたお年寄りを助けると、却って訴えられるから助けない方がいい」という社会風潮が、中国で蔓延するようになってから、すでに久しい。そこには、助ける側から見ても助けられる側から見ても、「持ちつ持たれつ」の関係を望まない傾向があるかも知れない。

 中国メディア・今日頭条は2日、「『借りを作る』ことは、本当にそんなに怖がることなのか」と題した文章を掲載した。

 文章は「人は群れをなして生活する動物である。生活も仕事も、さまざまな活動も、みなグループを作ることで営まれる」と説明。その一方で、「他人に頼ることなく自分の思うがままに行動する『独立独行』の集団もいるのだ」とし、この集団に属するものは「他人に迷惑をかけることを恐れる」と紹介した。その理由として「他人の世界に入りたがらず、自分で自分を閉じ込めようとするからだ」と解説している。

 そのうえで、「誰かに借りを作るのを恐れる、他人に迷惑を欠けるのを恐れる」ことが持つもう1つの側面として「自分が他人に迷惑をかけないということは、他人も自分に迷惑をかけたがらないのだ」と論じた。そしてこの現象が今、「徐々に中国の現実になりつつあるのだ」とし、適度に他人を頼ること、借りを作ることが、人と人との関係をより親密にし、独り善がりから離れることができるのだとの見解を示した。

 文章の中で、他人に迷惑をかけないことを徹底しているのは日本人であると紹介されている。確かに日本ではそのような風潮があり、気を遣うケースがままあるというのは間違いではない。なるべくなら他人と関わらず、自分だけで生きていきたいと思う人も少なくないだろう。しかしその一方で、義理人情を重んじる文化も確かに存在するのだ。

 「情けは人のためならず」という言葉もある。やはり人間は、ある程度の情けのかけあいをしていたほうが、万事うまく行くのではないだろうか。ただ、「ある程度」というのが重要であり、他人とうまくやっていくにはそのバランス感覚が求められるのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)