ナイジェリア戦の日本の予想布陣。手倉森監督は4-3-3システムの採用を示唆しており、3トップは興梠、南野、中島か。アンカーの遠藤は相手のトップ下を抑えつつ、攻守でチームを牽引する。

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「初戦が一番重要」――。グループリーグの組み分けが決まった時から、選手たちが口を揃えるように言っていた言葉である。その初戦で相見えるナイジェリアは、1996年のアトランタ大会で金メダルを獲得した強豪国だ。しかし、試合前日の段階で合宿地のアトランタからブラジルへ移動できておらず、監督の公式記者会見も行なわれなかった。
 
 ナイジェリアのサッカー事情をカバーするポータルサイト『all NIGERIA soccer』によれば、アメリカ時間の8月4日朝7時(ブラジルも同)に現地を出発し、マナウスまでの所要時間は7時間。到着はキックオフ時間21時の7時間前に当たる14時に到着する見込みだという。
 
 開始90分前の会場入りに間に合わない場合は、日本が“不戦勝”となる可能性も出てくる。仮に間に合ったとしても、選手の精神的・肉体的疲労はピークに達しているだろう。一見、日本に優位な状況に見えるが、手倉森監督は「相手のことは頭から排除しろ」と手綱を引き締める。
 
「敵はまだ来てない。ただ、ナイジェリアはこの大会でチャンピオンになったこともある強豪国。まずは自分たちがやってきた準備に対して自信、確信を持って入っていこうと。良い流れで来ているなかで、掴むか掴まないかは自分たち次第だという話をしました」
 
 選手たちが警戒するのは、身体能力やスピード、アフリカ独特のリズムだ。もっとも、日本も5月にガーナ、6月に五輪出場国の南アフリカと対戦し、アフリカ勢に対する免疫はある。またスピードに関しても、先のブラジル戦でネイマールなど世界トップクラスを体感しており、ナイジェリアと対峙してもパニックに陥ることはおそらくないだろう。
 
 リオ五輪年代を引っ張ってきたケレチ・イヘアナチョ(マンチェスター・シティ)やアレックス・イウォビ(アーセナル)が、所属クラブの招集拒否によって参加できず、オーバーエイジでA代表の重鎮であるミケル(チェルシー)らを加えたとはいえ、10代の選手が5人と、U-23代表としても非常に若いチーム構成。連係不足や経験不足につけ込む余地は大いにあるはずだ。
 
「序盤はスピーディな展開になると考えています。ただ、スピードの持久戦になれば、日本に分があるだろうなと。立ち上がりから連動したサッカーを展開し、先制点を取れるかが大きな意味を持ってくると思います。大会のメダルを考えれば、初戦の勝点3がその後の可能性を高めてくれる。ナイジェリア戦がメダル獲得へのすべてだという覚悟で行きます」(手倉森監督)
 
 手倉森監督は8月2日の練習で4-3-3を採り入れ、ナイジェリア戦での起用を示唆した。前日、再度システムを問われた際にも「4-3-3かな」と話しており、まずはこの陣形でカウンターを狙いながら、ボールを動かしていくプランと見て間違いないだろう。
 
 前日練習は冒頭15分以外非公開のため、最新の判断材料は少ないが、前々日の練習から弾き出すと、興梠慎三、南野拓実、中島翔哉、大島僚太、矢島慎也、遠藤航、藤春廣輝、植田直通、塩谷司、室屋成、櫛引政敏の11人と予想する。
 
 GKはブラジル戦では中村のほうが動きにキレがあった一方で、アジア最終予選でゴールマウスを守るなど修羅場を潜り抜けてきた櫛引への信頼度は依然として高い。大舞台では経験値もモノを言い、さらに初戦はより重要度が増すだけに、櫛引がピッチに立ちそうだ。
 
 最終ラインは藤春、植田、塩谷、室屋のベストメンバー。とりわけ鍵を握るのが、植田と塩谷のCBコンビだ。ナイジェリアの1トップを務めるFWサディク(192センチ)は、空中戦と縦ヘのドリブルで“規格外”の身体能力を見せつける。