「都議会のドン」の権力は絶大(内田茂氏HPより)

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 7月31日に投開票された東京都知事選の候補者の多くは都政改革を掲げ、当選した小池百合子氏は具体的に利権追及チームを創設し、「目安箱」を置いて広く情報提供を募ると公約した。これに「都議会のドン」と呼ばれる自民党東京都連幹事長の内田茂・東京都議(77)はどう対応していくのか。

 新知事との情報戦となれば都庁内にネットワークを張り巡らせている内田氏に分がある。かつて石原慎太郎都知事と演じたバトルが参考になる。

 知事の側近で「剛腕」で知られる浜渦武生(はまうずたけお)氏が副知事に就任し、次に都庁内の実権を握りはじめたことに危機を感じた内田氏は思いきった手を打つ。浜渦氏が都政を私物化していると批判して都議会に百条委員会(※)を設置し、問責決議を可決して辞任に追い込むのである(2005年)。

【※注/地方自治体が議決により設置する、強い調査権限を持つ特別委員会。証言を拒否した場合などには罰則規定がある】

 慎太郎氏は「泣いて馬謖(ばしょく)を切る」と浜渦氏を更迭。これを機に、内田氏は都議団だけではなく、東京選出の国会議員、都議、区議を統括する自民党東京都連幹事長に就任して名実ともに都連のドンとして君臨するようになり、慎太郎氏の長男・伸晃氏を最年少で都連会長に抜擢した。

「石原知事が逆らえないように伸晃さんを人質にとる巧妙な人事だった。あれで石原父子は完全に内田さんの軍門に下った」(ベテラン記者)

 その石原父子は今回の都知事選で内田氏に弓を引いた小池氏のことを、「厚化粧の女に都政は任せられない」(慎太郎氏)などと口を極めてこき下ろし、内田氏への“忠誠”を示したのだ。

※週刊ポスト2016年8月12日号