日本列島では、猛烈な夏の暑さが続いている。風が吹いても神経を逆なでするような生ぬるさ。それでも風があればいいほうで、無風の炎天下に少しでも晒されれば一気に汗が吹き出す始末だ。もう、必要最低限の動きだけしかしたくなくなる。一切の無駄を削ぎ落とす、「侘び寂び」の境地か。いや、そんな趣のある状況ではないほどの暑さだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本列島では、猛烈な夏の暑さが続いている。風が吹いても神経を逆なでするような生ぬるさ。それでも風があればいいほうで、無風の炎天下に少しでも晒されれば一気に汗が吹き出す始末だ。もう、必要最低限の動きだけしかしたくなくなる。一切の無駄を削ぎ落とす、「侘び寂び」の境地か。いや、そんな趣のある状況ではないほどの暑さだ。

 中国メディア・今日頭条は3日、「もののあわれ」、「幽玄」、そして「侘び寂び」という3つのキーワードから、日本の審美意識を紹介する記事を掲載した。記事は、日本人の審美意識には「自然と一体となる感覚や、仏教における諸行無常の考え方が流れているのである」と解説したうえで、3つのキーワードについて紹介している。

 まず「もののあわれ」だ。賞賛、親愛、愛好、哀れみ、共感、同情、悲しみ、壮美、感動、失望といった様々な情緒が複雑に絡み合ったものであり、「日本の歴史とも関係があり、地理的な環境や、社会生活とも関係あるのだ」と論じた。

 続いて「幽玄」については、得も言われぬ趣の深さという「一種の朦朧かつ曖昧な美である」と説明。もともとは漢の時代の中国で出てきた言葉だが、日本の中世において歌人たちが様々な角度から、この言葉が持つ意味に対する探求が行われ、その中身が作られていったとした。

 そして「侘び寂び」に関しては、「本質を求めること。時間の推移とともにある事物の表象が少しずつ削ぎ落とされていき、こうして残ったものこそ美しいという、一種の思想であり、一種の世界観なのだ」と論じている。

 記事は最後に「もののあわれ」、「幽玄」、「侘び寂び」という3つの美意識について「日本文化に影響を与えたのみならず、日本に既存の感情のベース、世界観、価値観によって染められ、日常の文化的実践の中にまで融合されている。すでに、日本人の日常生活における知恵へと変化しているのだ」と説明した。

 余計なものをそぎ落として本質を求める、という姿勢は昨今流行りで中国でもしばしば紹介されている「断捨離」にも通じるところがありそうだ。思考力も行動力も鈍りがちなこの時期は、シンプルな生活が似合う。無駄な動きや思考を排して、人間の生活の本質を追求するには、真夏の暑さが持って来いなのかもしれない。ただし、くれぐれも熱中症にはご注意を。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)