専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第66回

「運命のクラブ探し......」とは言ったものの、いったいどうやって探したらいいのやら......ですよね。

「運命のペット」というのは、よく耳にします。何気にペットショップに入ったら、目のクリクリしたチワワと視線が合って運命を感じて、そのまま家に連れて帰ったとか。それがたとえ勘違いであっても、本人が幸せなら何ら問題はないわけです。

 これが、ゴルフクラブとなると、だいぶ様相が違っていきます。

 量販店でドライバーを選んでいたら、飛びそうな面構えを見て「これだ!」と思って買ってしまった......としたら、「おいおい、試打しなくていいのか」って、突っ込みどころ満載です。そういう衝動買いは、結果的にろくなことがないですね。

 今まで、何十本とクラブを買ってきましたが、「これは運命的だ!」と思ったクラブは、ほとんどないです。「これ、大丈夫なの?」と思って、疑いながら打ったクラブほど、よく飛んだりしました。いやぁ〜、クラブを見る目がないですわ。

 では、どうやって"運命のクラブ"に出会いましょうか。

 みなさんが思い描いている「運命的な」のイメージは、"飛んで曲がらないドライバー"でしょうが、アマチュアレベルで言えば、そんなものはほとんど存在しません。やはり、どこかで妥協点を見出さないと。

 現在、私が長く愛用しているドライバーは、マクレガーのNV−Fという10年前ぐらいのドライバーです。これに、フジクラのランバックスシャフトを装着。飛距離は200ヤードちょっとがいいとこです。でも、シャフトのマッチングがよくて、あまり曲がりません。ゆえに今のところ、やや運命的なクラブ扱いになっています。

 最新のドライバーは、ものすごく飛ぶと思います。けど、"曲がらない"ことに保証はあるのでしょうか? ボールの方向性というのは、自分の打ち方とか、シャフト、スイングプレーン、ヘッドスピードなど、さまざまな要素が組み合わさって作られますからね。

 そんな最新のドライバー選びでよくあるのは、試打では真っ直ぐ飛んでバカ当たりするのに、いざコースで打ってみると、ボールが曲がりまくるパターン。なぜなんでしょう?

 試打だと、お行儀よく打つから、スイングも暴れないんですね。それがゴルフ場だと、アドレナリンが出まくるから、スイングも"あばれはっちゃく"状態になると思われます。

 そんなわけで「そこそこ満足」しているぐらいが、運命のドライバーだと思います。つまり、長年連れ添った古女房のような存在ですか。

 新しいクラブ、特にドライバーを変えて"第2の運命のクラブ"を見出すには、膨大な時間とお金がかかります。愛人づくりと同じくらいの手間暇がかかるわけですよ。

「運命のクラブ」に出会うことは、そう簡単にはいきません...... それでも、それを実現したい場合はどうしたらいいか? もうひとつ、"運命のレッスンプロ"に出会うことで、思わぬ回答が導き出されることがあります。

 アマチュアゴルファーがレッスンプロに出会う機会って、やはり練習場などが多いのでしょうか。過去に、練習場にいるレッスンプロのリサーチをアポなしでやったことがありますが、みなさん懇切丁寧で、しかもちゃんと"お客さん"扱いしてくれました。

 昔のレッスンプロというか、個性的な先生たちは我々に対して"生徒"扱いでしたからね。それだと、頭ごなしに言ってくるので、こちらとしてもやる気が失せてしまいます。

 下から丁寧に指導してくれるなら、あとは相性の問題だと思います。この先生の教えていることはなかなか理にかなっていると思えば、その人が"運命のレッスンプロ"となります。まあ、運命でなくてもいいのですが、このプロは信頼できると思ったら、そこで相談開始です。

 そう、"運命のクラブ"選びを手伝ってもらうのです。

 以前、友だちでもある、QP関雅史(※)プロの店に遊びに行ったついでに、スプーンを作ってもらいました。フォーティーンのヘッドに、三菱のシャフトでね。
※「QP」の愛称で親しまれているティーチングプロ。ゴルフ専門誌をはじめ、各メディアで活躍中。

 で、「これでバッチリ!」と言われて買ったはいいが、最初は相性が悪かったなぁ......。まあでも、「このクラブは癖があるな」「実戦ではなかなか使えないな」とぼやきつつも、しばらく使っておりました。

 そして、やっと使いこなせるようになったのが、半年ぐらいしてからですか。打ち方を覚えたというか、コツをつかんだというか、実は癖があったのはこちらのほうでした。

 やはり、プロの言うことは最後まで信ずるべきです。一瞬とはいえ、QPプロを疑ったオレがバカだった......って、『走れメロス』かよ〜。

 今では、曲がらないし、飛ぶしと、狭いコースのときはとても役立っています。

 とまあ、このように知り合いのレッスンプロにクラブ選びを依頼するのは、結構アリだと思います。自分を客観的に見てくれますし、コネで安くもしてもらえるし、さらにアフターサービスも万全ですから。

 というわけで、"運命のクラブ"選びは、信頼できるレッスンプロを見つけることから。「クラブを得んと欲すれば、先ずレッスンプロを得よ」ってことですね。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa