手倉森ジャパンは仮想ナイジェリア戦の勝利を活かせるか

写真拡大

■金メダルを目指すと宣言した手倉森監督の真意

「金(メダル)を目指さないと、“どう”(銅)にもならない」

2013年に現チームを率いた時点で、「メダルがノルマ」という目標を掲げていた手倉森誠監督が、目標を一段上方修正したのは、出場登録メンバー18人を発表した7月1日の記者会見での席上だった。

前回のロンドンオリンピックでは、宇佐美貴史や清武弘嗣といった現在のA代表でも常連の選手たちを擁し準決勝まで勝ち上がったが、メダルのかかった準決勝でメキシコに1−3の敗戦。

銅メダルのかかった3位決定戦でも、韓国に0−2と完敗した。

「金メダル」という、より高い目標を掲げて、チームとしてさらに成長しなければ、予選突破も難しいという危機感を、得意のダジャレに込めたのだ。

それほど今回のグループリーグの相手は強豪揃いだ。

初戦で対戦するナイジェリアは出場7回目。アフリカ勢で最多の出場を誇り、1996年のアトランタで金メダル、2008年の北京では銀メダルを獲得。

高い身体機能に加えて、技術もともなっており、アフリカのチームに見られがちな組織プレーの拙さもない。

その証しにアフリカ予選では、準決勝でセネガルを1−0、決勝でアルジェリアを2−1で下して優勝している(グループBで2試合目に対戦するコロンビアは出場5回目。6チーム総当たりによる南米予選では2位に終わり、北中米カリブ海3位のアメリカとプレーオフを2−1で勝って出場を決めた。スウェーデンは24年ぶりの出場だが、欧州予選では準決勝でデンマークに4−1と圧勝、決勝ではポルトガルと対戦してPK戦の末に優勝をものにした)。

対戦相手が決定した手倉森監督は、「日本にとっては良いグループに入った。ここを突破できればてっぺんまで登っていけそうな可能性を感じるグループです」とコメント。自ら「ポジテグ」という前向き思考で、選手らに発奮を促した。これも手倉森流のマスコミを使った選手操縦術に違いない。

アジアを制した日本を加え、大陸王者が3チームもこのグループBに入る“死の組”となったが、グループリーグを戦う中で最重要なのは、やはり初戦のナイジェリア戦の戦い方。

勝てば予選突破に大きく近づくが、負ければ窮地に立たされる大事な一戦となることは、誰よりも勝負師である指揮官が心得ている。

「仮想ナイジェリア」として臨んだ、今年に入ってからのガーナ戦(A代表、5月11日)、南アフリカ戦(6月29日)をそれぞれ3−0、4−1と完勝。

アフリカ勢にもはや苦手意識はない。グループリーグ3戦を通じてさらなる成長を遂げ、最後には輝くメダルを手にするつもりだ。

(岸川貴文=文)