『一回3秒 これだけ体操 腰痛は「動かして」治しなさい』(松平浩/講談社)たった3秒反らすだけ!

写真拡大

 腰に慢性的な痛みを抱えている人に朗報がある。毎日のその辛い痛みとおさらばできるかもしれないのだ! 今まで常識とされていた腰痛の治療法を覆すような画期的提案が登場した。

 これまで多くの人を痛みから救ってきた医師の松平浩氏。昨年、「NHKスペシャル『腰痛・治療革命』」で松平氏の腰痛治療法が紹介されるや否や大きな反響を呼んだ。この度、その番組の内容に加筆した『一回3秒 これだけ体操 腰痛は「動かして」治しなさい』(松平浩/講談社)が発売された。ここでそのエッセンスをご紹介しよう。

■ギックリ腰になっても動かそう

 松平氏の治療法がまったく新しいのは、腰痛のときこそ「積極的に動かす」ということと、「恐怖心をコントロール」する点にある。どういうことか?

 まずギックリ腰といえば「安静」と思い込んでいないだろうか。しかし最近の医学界では、痛みがあっても「できるだけ動くこと」「活動的に過ごすこと」が大切だという。

 あなたは次の3つのうち、どれがもっとも早く腰痛から回復すると思うだろうか?

(1)2日間、トイレ以外はベッドで安静

(2)腰を前、横、後ろの各方向にゆっくり動かす運動を理学療法士が指導

(3)痛みの範囲内でなるべく普段通りに過ごす

 正解は(3)。フィンランドの研究では、腰痛を発症した人を上記3つの群に分けた。その結果、(3)群の患者たちは、腰痛を発症したあとも、腰痛が持続せず、仕事への支障、欠勤日数がもっとも少なくて済んだという。もちろん医師の処方に従った痛み止めや抗炎症剤をきちんと服用することが前提だ。

 また「できるだけ動くこと」と言っても、腰をさらに痛める過度な運動のことではない。のちほど紹介する「これだけ体操」で十分なのだ。ではなぜ多くの人が慢性的に腰に痛みを抱えてしまうのか? それは痛みを“脳”で感じているからだという。

■その痛みは「恐怖心」が生み出していた!

 そもそも万年腰痛の原因とされるギックリ腰も3カ月あれば痛みが消えるとされている。けれども3カ月を過ぎても腰痛が治らないのは、「恐怖心」が刷り込まれているからだ。

 この「恐怖回避思考」は、さながら“ウィルス”のようだと松平氏はいう。ギックリ腰など、腰の痛みを発症すると、悲観的な感情、腰を守らなければという、過剰な警戒心を持つ。「また腰痛になったらどうしよう」との思いが頭を占め、腰をかばいがちな生活になってしまう。その結果、体が硬くなって「痛み過敏」の傾向が強まるという悪循環なのだ。

 ここで次の質問をチェックしてみよう。

ここ2週の間のことを考えて、「はい」「いいえ」をお選びください。

(1)この状態では活動的になるのは危険だと思う    はい(1点) いいえ(0点)

(2)心配事が心に浮かぶことが多かった        はい(1点) いいえ(0点)

(3)私の腰痛は重症で、けっしてよくならないと思う  はい(1点) いいえ(0点)

(4)以前は楽しめたことが、最近たのしめない     はい(1点) いいえ(0点)

(5)全般的に考えて、ここ2週の間に腰痛をどの程度わずらわしく思いましたか?

全然(0点) 少し(0点) 中程度(0点) とても(1点) 極めて(1点)

 4点以上当てはまったのなら、「恐怖回避思考」のウィルスに感染している可能性は高い。慢性的な腰痛は、「自分自身が引き起こしている」と自覚してもらいたい。

 では「恐怖回避思考」から抜け出すにはどうしたらいいのか? それは次に紹介する「これだけ体操」を試してもらい「腰を動かしても大丈夫なんだ!」という感覚を掴んでほしい。これが「脳のリセット効果」を生む。いわば「腰痛脳のリハビリ」である。

■たった3秒で脳も体もリセット

 今、腰が痛い人も、腰痛を予防したい人も取り組んでほしいのは、「基本のこれだけ体操」である。慢性腰痛持ちの人は背中を「反らして3秒保つ×10回」から始めること。

※注意点

・お尻から太もも、ふくらはぎにかけて痛みやしびれを感じた場合は中止すること

・腰を反らしたときに10秒以上、痛みの余韻が残るようなら、骨盤を押し込む負荷が強すぎるので、弱くすること

・10分経っても痛みが引かないなら、体操は行わず病院で検査を

 長い間、腰をかばう姿勢を取ってきた人にとって、体操を始めることは、腰や背中の筋肉が緊張し、最初は敏感に痛みを感じてしまうかもしれない。けれどゆっくりで大丈夫だ。

 また体操を行う前に、自分が「どれくらい前屈できるか」「前屈で腰痛を感じるか」をモニターするといい。腰を後ろに反らすのは、恐ろしくても、前に屈むことは多少はできるだろう。そして体を後ろ反らしにした後は、腰回り全体が柔らかくなっており、前屈の加減も体操後は変わってくるだろう。体操後に前屈の距離 ややりやすさを実感できるなら、この体操があなたに合っているということだ。回数を重ねるごとに骨盤への押し込みを強め、反らす角度を少しずつ大きくしていくと効果的だ。

 腰痛の予防効果がある「これだけ体操」には、上記の腰を反らす以外にも、横バージョンや座ったままできる体操のほか、ギックリ腰になった時の緊急対策として「ギックリ腰体操」も掲載されているのでぜひ本書を手に取って実践してほしい。

 大切なのは腰痛の“借金を返済”すること。体操は過剰な恐怖心にとらわれた「脳をリセット」する。それと同時に、前かがみ・猫背になりがちな現代生活から来る、“腰痛借金”を取り去る作用があるのだ。

 すでに腰痛持ちだという人も、これから予防したい人も。たった3秒から始められる体操で、腰痛と無縁の人生を送ろう!

文=武藤徉子