新築マンションは中古になったら2割下がる――。こんな話があたかも神話のように語られてきた。果たしてそれは本当なのだろうか。マンションの購入を考えている人にとっては気になるところだ

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不動産業者の俗説は本当か?
新築マンション価格が2割下がる根拠

 新築マンションは中古になったら2割下がる――。この話は不動産業者に端を発している。マンションを開発する事業者の粗利益が2割だから、中古になるとこの粗利益がなくなって原価になると想定している。マンションの価値は土地と建物の合計額であるから、あながち間違っているわけではない。しかし、この数字は仮説に過ぎず、検証されてもいない。もし本当に2割下がるならば、新築よりも中古を購入した方が得策ということになる。そうなると、新築よりも中古を検討する人が増えてもよさそうなものである。

 開発事業者の新築マンションの値付けは、販売価格を100とすると土地代と建築費で80ほどになる。残りの20が粗利益だが、これも販売管理費と純利益に分かれて、それぞれ10くらいになる。純利益が10もあると多いと思われるかもしれないが、売上が90%を超えない限りは借り入れた資金90すら返せないので、10%以上売れ残ったり値引き販売する状況になったりすると、非常に苦しい懐勘定になることがわかるだろう。

 販売管理費は主に広告費と販売委託費(販売会社の人件費相当)だが、これらは売るためには必要なコストである。これに対して、購入予備軍を集めておいてセミオーダーする方式があり、「コーポラティブハウス」という名前で呼ばれている。この方式でも、実際には広告などは行われており、販売の際には担当がついて細かな設計変更の対応をしており、販売管理費が大幅に削減されている状況にはなっていない。

 分譲マンションの場合、建築規模や大手売主の発注頻度からゼネコンの建築費は抑えられており、小規模で施工の難易度の高いコーポラティブの方が建築単価は高くなるケースも多い。つまり、大手が行う事業は建築費を抑える効果があり、割安な発注単価を実現できている。それと土地代だけで中古価格が形成されているとすると、かなり割安ということになってしまう。

 新築が中古になると何%下がるかについては、色々な調査方法がある。ある新築物件が築1年で中古になって成約した価格を調べればいいような気がするが、それでは非常にばらつきがでてしまう。なぜなら、新築の販売時と竣工後1年経過した時点では、物件ごとに3年ほどの開きが出てしまうこともある。

 たとえば、ある事業者はすでに竣工した築1年の物件を売っていたりする一方で、タワーマンションなどでは竣工が2年先のケースがあったりする。こうして期間に差が出ると、その間に相場は2〜3割も変動することが出てきて不正確になる。

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