格安SIMで「ポケモンGO」はあり? なし?

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「なんてこった!」と驚いたはつい先日のこと。iPhone 6sで「ポケモンGO」を1時間フル稼働したところ、バッテリーが半分減りました。これでは、スマホの電池切れが多発するのは必然。対策としては、いつでも充電できるように「バッテリーケース」や「モバイルバッテリー」を使用するのが有効です。

そんな折、ふと考えてしまいました。「格安SIMでゲーム専用端末を作ったらどうなのだろうか」と…。

SIMフリースマホは対応に注意が必要

 

SIMフリースマホと格安SIMの組み合わせで「ポケモンGO」専用端末にしようとする場合、SIMフリースマホ選びで注意すべきことが2つあります。

1)端末が「ポケモンGO」に対応しているか
2)端末がジャイロセンサーを搭載しているか

WS000111 「Pokémon GO」の推奨環境について

 

まず、SIMフリースマホの中には、そもそも「ポケモンGO」をインストールできない機種があります。公式サイトの「よくあるご質問」から、推奨環境をチェックしてみると、iOSとAndroidの対応が確認可能。ここには“Intel Atomプロセッサ搭載端末は非対応です”と断言する文言が…。また、“一部端末に関しては対応OSバージョン以上でも動作しない場合がございます”とも書いてあります。

筆者が確認できた範囲でも機種によって対応は異なりました。例えば、ASUSの「ZenFone Selfie」では、アプリをインストールできませんでしたが、HUAWEIの「P9/P9 lite」ではアプリを利用できました。

問題は、シャープなど一部のメーカーを除き、メーカーサイトにまとまった情報が掲載されていないこと。口コミなどを頼りに機種ごとの対応を確認するしかありません。

WS000114 HUAWEI P9のスペック画面。ジャイロセンサーを搭載しているのがわかる

 

続いて、ジャイロセンサーの有無もチェックしておきましょう。アプリを利用できる端末でも、ジャイロセンサーを搭載していないと「ARモード」で遊べません。

ファイル 2016-08-03 18 47 51 ARをオンにすると現実の映像とポケモンを重ねられて楽しさが増す(左)。ARをオフにするとシンプルな背景になるが、操作はラクになる(右)

 

必須のスペックではありませんですが、ポケモンGOを全力で遊びたい人は、対応をチェックしておきましょう。

 

格安SIMだと多少の遅延が生じるが許容範囲

今回は、筆者の手元にあった「HUAWEI P9 lite」と「DTI SIM(ネット使い放題プラン)」を組み合わせてポケモンGOをプレイしてみました。「P9 lite」はジャイロセンサーが搭載されていないのでARモードで遊べませんが、今回は割り切ります。

検証したのは、平日の夕方頃。通信速度は下りが4Mbps程度、上りが7Mbps程度という状態でした。

Screenshot_2016-08-03-16-13-55 「RBB SPEED TEST」で計測

 

結果としては、ほとんど問題なく使えましたが、ところどころ遅延が発生しました。具体的には、モンスターボールがポケモンに当たったあとのアニメーションが長くなります。体感頻度としては7回に1回程度でしょうか。

しかし、プレイ自体に支障はありません。3Mbps程度が出る格安SIMなら十分に遊べると言えるでしょう。

ちなみに、大手キャリアのスマホで速度制限が掛かっているときには、以下のような状態になることが確認されました。

●ポケストップに写真が表示されない
●ポケモンに遭遇すると、画面が真っ白になり固まる

ファイル 2016-08-03 19 26 51 速度制限が掛かっているときは、ポケストップに写真が表示されなかった

 

格安SIMで検証はできていませんが、速度制限が掛かっている場合には、同様の状態になり得ることが想定されます。格安SIMを選ぶ際には、高速通信が多少使えるプランがよさそうです。

 

ポケモン人気に便乗する格安SIMはいかに?

さて、こうしたポケモンGO人気をMVNO各社が見逃すわけがありません。先頭を切ったのは「DTI SIM」。7月19日にポケモンGOのデータ通信をカウントしない「DTI SIM ノーカウント」を発表しています。

WS000116 基本5GBが付与される。月額料金は1220円(税別)〜。Pokémon GOによる通信量消費をカウントしないのは1年間だけ

 

続いて、「FREETEL」も8月下旬〜9月以降にポケモンGOの通信量をカウントしないようにすると表明。FREETELでは「LINE」の通信量もカウントされないので、お得感があります。

WS000118 FREETELは既存のサービスで、「Pokémon GO」をカウント外にする

 

そしてついに、「b-mobile」はポケモンGO専用となる「ゲームSIM」を発表しました。パッケージ価格1500円のプリペイド式で、ポケモンGO以外の通信が行えないのが特徴です。通信量は1GBで、有効期限は30日間。期限後も10日以内に500円チャージすると継続利用ができます。

WS000123 日本通信はPokémon GOだけで使えるプリペイドプランを提供。その他の通信はできないという大胆さは潔いが、他社と比べるとやや割高な印象だ

 

ヘビーユーザーなら検討の価値はあるかも

特定のアプリの通信をカウントしないこと(ゼロ・レーティング)は、ネットワークの中立性を保つという観点でしばしば物議を醸しています。しかし、目前の料金だけを考えれば、確かに消費者にとってお得です。

ただ、今回ポイントとなるのは、“ポケモンGOはそれほど通信量を消費しない”ということでしょう。

実際に筆者が試したところ、ポケモンGOを3回起動して15分間使用するより、ブラウザで3分ネットサーフィンした方が通信量を消費しました。普通の使い方ならポケモンGOで月2GBも使わないかもしれません。無料Wi-Fiを活用すれば、もっと節約できるでしょう。

そうなると、ポケモンGOだけを利用するなら、ポケモンひいきでない通常の格安SIMの方がお得になりそう。例えばDMM mobileで月1GBのデータ専用SIMを契約した場合、月480円で済みます。パッケージのうたい文句を鵜呑みにするのは危険です。

Screenshot_2016-08-03-15-56-35 P9 liteで確認した通信量の消費ランキング

しかし、毎月ポケモンGOに数MB使うとなってくれば、話は別です。“一日中、ポケモンGOに夢中になってポケモンマスターを目指すんだ!”という場合には、やはりDTIやFREETELのようなカウントなしの通信プランがお得でしょう。

まとめ

ポケモンGOに対応する端末は限られています。ゲーム専用端末として新たにSIMフリースマホを買うのは、コストの面でオススメできません。しかし、手持ちの端末が格安SIMで流用できるとなれば、月500〜1500円程度でがっつり遊べそうです。

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(文/井上 晃)

いのうえあきら/ライター いのうえあきら/ライター

スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。