『恋するシロクマ』(ころも/ KADOKAWA)

写真拡大

 ピクシブなどネット上で話題騒然となっていた漫画『恋するシロクマ』(ころも/ KADOKAWA)がついにコミックス化! 2016年1月に1巻が発売され、かわいすぎてすぐに緊急重版が決定しました。2016年8月27日(土)には続編となる2巻が発売予定の大注目の漫画です。

 それでは『恋するシロクマ』のストーリーをすこし紹介していきましょう! 本作は、本来であれば捕食対象、エサである、白い子どもアザラシを好きになってしまったシロクマくんと、天敵であるシロクマにいきなり求愛され恐怖に震えるアザラシくんが主人公の物語です。

 彼らが運命の出会いを果たしたのは、弱肉強食の氷上の世界。海にもぐったお母さんを待っているあいだ、ちょっとした冒険に出たアザラシくんが道に迷ってしまいました。そして、そこで出会ったのが、アザラシにとっての天敵・氷上最大の捕食者であるシロクマくんです。シロクマに殺される! 食べられる! という恐怖に震えまくるアザラシくんでしたが、なんだかシロクマくんの様子がおかしい。「大きな瞳…ふっくらとした口元に小さな手…触れたくなるほどに滑らかなボディライン…そして、真っ白で美しい体…」とシロクマくんはアザラシくんを褒めたたえ、「必ず幸せにするよ。君が大きくなったら結婚しよう」とまさかの告白。なんとシロクマくんは、アザラシくんに一目惚れしてしまったのです。

 シロクマとアザラシという弱肉強食の関係を超えた恋にも驚きですが、シロクマくんの恋にはもうひとつの壁がありました。立派なオスになって君を守るというシロクマくんに、アザラシくんが言います。「ぼくもオスですけど」と。なんとシロクマくんが恋したアザラシくんは、オスだったのです。弱肉強食の関係、異種、同性、アザラシくんは「残念ながら許してください」と訴えますが、「それでも、僕は構わない」と恋したシロクマくんはひるみません。恋に突っ走るシロクマくんに、高速で震えながらもツッコミをいれるアザラシくんの表情や姿は、シュールなのにとっても可愛いと評判です。コミックの表紙イラストからして可愛い本作ですが、実はただ可愛いだけの漫画ではありません。大自然のなかで生きる彼らの現実もしっかりと描かれています。

 アザラシくんは、自分たちを食べる強者であるシロクマくんに本能から恐怖を感じています。「食べたりしないよ」「君を守りたいだけ」というシロクマくんを信じきれず、弱者の感じる恐怖と苦痛がわかるのかと、アザラシくんは自身の憤りをシロクマくんにぶつけます。それを受けて、シロクマくんは「わかるよ」「僕はね、ひとりぼっちなんだ」と答え、弱肉強食の世界で生きてきた自身の過去を語り始めます。そこで見えてくるのは、大自然の厳しさ。そして、弱肉強食の関係を超えてシロクマくんがなぜアザラシくんを愛するのかという理由もわかります。

 愛すること、生きること、その切なさが、しっかりと優しく描かれている本作ですが、オチの存在を忘れてはいません。最後は、きっちり笑わせてくれます。ちぐはぐなシロクマくんとアザラシくんの恋を、笑いあり、涙あり、そして愛らしく描いた『恋するシロクマ』。果たして、アザラシくんの震えは止まる日はくるのか!? アザラシくんが大きくなったら白くなくなるけど、どうなっちゃうの!? と、これからの展開が楽しみな作品です!

文=なつめ