泣いた人、笑った人「ポケモンGO」狂想曲〜損した業界編〜

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株式市場で「ポケノミクス」という言葉が行き交っている。社会現象となっている「ポケモンGO」の経済効果を指す言葉だが、得したところもあれば、損したところもある。悲喜こもごもの業界事情を芸術から政治、経済、エンタメ、スポーツまで幅広いジャンルに造詣が深い作家の松井政就さんに聞いてみた。前編の「得した業界」に続いて、今回は「損した業界」を取り上げる。

■他のゲームが古臭いものに

松井さんは「なんといっても他のゲーム会社です。とくにスマホゲームやっているところは痛い」と開口一番。「それまで電車の中ではバズルや対戦系のゲームをしている人がたくさんいましたが、既存のゲームが急に古臭いものになってしまった。驕る平家は久しからずです」と指摘する。

「ポケモンGOにまったく興味ない人でも、この記事を読めば猛烈にしたくなる」という記事で伝えている通り、ポケモンGOはまったく新しいタイプのゲームであった。

当然の如く「ほとんど同じようなゲームを開発している会社もあるそうです」と情報通の松井さん。しかし「どうあがいたって二番煎じに過ぎません。出すだけ無駄でしょうし、世も世ですからパクったというイメージなど与えたらマイナスです」と一蹴する。

■相乗効果どころか……映画もキツイ

映画業界も損をしているという。ゲームの上陸に合わせるかのように「ポケモン・ザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧のマギアナ」が上映中だが、相乗効果で倍増どころか、昨年上映した前作と比べて客の入りは落ち込んでいるそうだ。

松井さんは「考えてみれば当然で、スクリーンの上に現れるポケモンより現実の街に現れるポケモンのほうが面白いからです。しかもゲームは部屋にこもらず外に出ようというコンセプト。そんな意識の高まりは映画業界にはキツイ」と分析。「映画館の中にゼニガメでもピカチュウでも何でも出してほしい心境でしょうね」と関係者を慰める。

■対応を誤って損したケースも

社会現象になっているだけに対応を誤ったことで損する場合もあった。

企業ではないが、国会内に「ゼニガメが出た」とブログに書いて炎上した国会議員もいた。松井さんは「その程度のことさえ許さない日本社会も器が小さいですが、ポケモンを"仕事の一環"と言い訳したことがまずかった」とヘビーユーザーのひとりとして表情を曇らす。「ポケモンを仕事とは小学生でも首を傾げるでしょう。人気取りのつもりがとんだ落とし穴でした」

街中で発見した業種もあった。「下町の立ち飲み居酒屋がポケスポットになってますが、その角を曲がったところにはラブホがあります。利用するカップルは居酒屋の前を通らなければなりませんが、スマホを持った人が待ち受けています」(松井さん)

不倫関係の利用者もいるはずだ。出入り口の近くでスマホを構えたユーザーがウロウロしてたら、そのラブホは敬遠してしまう。

松井さんは「ポケモンGOブームにより、人によっては、意外に窮屈に感じられていることでしょう」と憂える。ところで松井さんはなぜラブホの真ん前にいたのだろう。ゲームのためだけだろうか。詮索はしないでおこう。

「教えて!goo」では、「話題の『ポケモンGO』をやっていますか?」ということで意見を募集中だ。

●専門家プロフィール:松井政就
作家。「賭けに勝つ人嵌る人」(集英社)「ギャンブルにはビジネスの知恵が詰まっている」(講談社)「本物のカジノに行こう!」(文春新書)など著書多数。政治、経済からスポーツ、エンタメまで幅広い分野に精通している。

(武藤章宏)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)