座るのは体に悪そうだから立てばいいというものでもなかった

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同じ場所に立ち続ける仕事をしている人の心血管疾患死亡リスクは、座り続ける仕事の人よりも高い――そんな研究結果が、大阪大学大学院医学系研究科と北海道大学医学研究科の研究者らによって発表された。

研究では、日本人の仕事上の身体活動量と、心血管疾患による死亡リスクの関係を調査するため、1988年から全国45か所、11万792人の生活習慣と健康状態を追跡調査している「Japan Collaborative Cohort Study for Evaluation for Cancer Risk(JACC)Study」を利用。職業と仕事中の運動量がはっきりしている、40〜79歳の健康な男女6万6161人の20年分のデータを抽出している。

被験者のデータは、仕事中の運動タイプによって「勤務中はほとんど座っている(座る職業)」「座っていることもあるが、立って動くこともある(座ると歩く、の中間)」「勤務中は立ち続けている(立つ職業)」「勤務中は立ち、かつ動き回っている(歩く職業)」の4種類に分類。それぞれの心血管疾患死亡リスクを比較した。

その結果、座る職業と歩く職業では、心血管疾患死亡リスクに違いはなかった。ただし、BMIが25以上の過体重の人に限定すると、歩く職業の死亡リスクが20%低下していた。

座る職業と立つ職業を比較すると、立つ職業のほうが20%の心血管疾患死亡リスク上昇がみられ、過体重や運動不足(週2.5時間以下)の人では、さらにリスクが上昇する傾向にあった。

最近、仕事中に立っていると、健康にいいという調査報告が話題になっていたが、単に立っているだけ、同じ姿勢を取り続けているだけでは意味がなく、「動く、歩く」といった動作が加わることによって効果は異なると考えられる。

発表は、予防医学・公衆衛生分野専門誌「Preventive Medicine」2016年8月号(Volume 89)に掲載された。

参考文献
Occupational physical activity in relation to risk of cardiovascular mortality: The Japan Collaborative Cohort Study for Evaluation for Cancer Risk (JACC Study).
DOI: 10.1016/j.ypmed.2016.06.008 PMID:27311336

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