「ドコモ♪ボレロ」

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携帯キャリア最大手のNTTドコモは、よく言えば安定感、率直に言えばお堅いイメージがつきまとう。2016年7月8日、そのイメージを打ち破るWEB限定動画がYouTubeで公開された。「ドコモ♪ボレロ」は、グループ会社15社の社員80人が野菜やスマホなど各社のサービスにまつわる「モノ」を使い、クラシックの名曲「ボレロ」の演奏にチャレンジしている。

音が鳴るあらゆる物体は楽器になり得る――とはいえ、オーケストラで演奏するとなると話は別。しかも演奏者はプロではない。無謀な企画の出来栄えは意外にも――。

「テープチェンジ」ならぬ「野菜チェンジ」に四苦八苦

演奏はスネアドラムに相当するリズムから始まり、音が次第に重なって壮大なフィナーレを迎える。今年6月に就任したNTTドコモの吉澤和弘社長が指揮者を務めた。

不思議なオーケストラのトップバッターは、料理教室の「ABC Cooking Studio」の社員だ。スネアドラムの代わりに包丁2丁で小気味よくリズムを刻んでいく。食品宅配サービス「らでぃっしゅぼーや」のスタッフはニンジンとアスパラガスで作った野菜笛で心地良いメロディーを奏でる。さらに腹筋マシン「ワンダーコア」で鍛えている男女の歌声、自転車のベル、「タワーレコード」店員によるスクラッチ音、スマホのピコピコ音が加わる。

各社を象徴する音で「ドコモ♪ボレロ」のシンフォニーが生まれていく。思わず突っ込みたくなる音もないわけではないが、広い心で耳をすませば重厚感は間違いなくある。

SMAPや嵐、KinKi Kids、夏川りみなど数多くのミュージシャンに楽曲を提供する市川喜康さんと、カンヌライオンズでの受賞歴もある音楽制作会社インビジブルデザイン・ラボがサウンドプロデュースを担当した。両者のサポートなくして「ドコモ♪ボレロ」は完成しなかったに違いない。

当然のことながら、通常のオーケストラにはない苦労があったという。ニンジンとアスパラガスで作った野菜笛は時間が経つと変色し、くたびれてしまう。「テープチェンジ」ならぬ「野菜チェンジ」が何度も発生し、そのつどチューニングする必要があった。またキュウリを食べる音は、テイクを重ねるにつれ出演者の胃袋が膨れ上がり、「もう食べられない!」とギブアップ寸前だったそうだ。