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積水化学工業株式会社住宅カンパニーの調査研究機関である住環境研究所が、「平屋住宅に関する調査2016」を行った。これによると、平屋住宅は、一戸建てではあるものの1階建てであることから、マンションの生活に近い点で評価されていることが分かった。詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「平屋住宅に関する調査2016」を発表/住環境研究所

平屋住宅は50代・60代に人気が高い

調査対象は、全国の30〜69歳の男女1050人で、住居形態は持家一戸建て 25%、持家マンション 25%、賃貸 50%の比率だ。「(老後の)理想の住まい」の形態を聞いたところ、平屋(1階建て)が23.5%、2階建て以上の一戸建てが33.4%、マンションが34.5%だった。

これは、年代やエリアによって傾向が異なり、年齢が高くなるにつれて、2階建て以上の一戸建ての志向が弱くなり、平屋とマンションを理想とする割合が高くなっている(画像1)。さらに、3大都市圏とそれ以外で比較すると、3大都市圏以外のほうがマンションより平屋を理想とする割合が高くなっている。

【画像1】理想の住まい(世代別)(出典:住環境研究所「平屋住宅に関する調査 2016」より転載)

【画像1】理想の住まい(世代別)(出典:住環境研究所「平屋住宅に関する調査 2016」より転載)

平屋を選択する理由は、ワンフロアの生活

平屋を選択した理由を聞くと、「階段の上下移動がない」(51.8%)「同一階(ワンフロア)で生活できる」(49.2%)、「コンパクトな間取り」(38.7%)が上位3項目になり、「掃除や家事が楽」(26.6%)を加えるとマンションの特徴とかなり重複していることが分かる。

一方、「庭が楽しめる」(32.8%)を筆頭に、「日当たりが良い」(21.7%)、「通風が良い」(20%)など一戸建てらしい特徴も上位に挙がっていて、マンションと一戸建ての両方のメリットを享受できるのが平屋、というイメージをもっていることがうかがえる。

マンションのようなワンフロアで機能的な間取りで、庭があって、さらに日当たりや通風がよい平屋となると、地価の高い3大都市圏では手に入りにくい。地方では平屋、都市部ではマンションの志向が強まる構図になったと考えられる。

【画像2】平屋選択理由 上位10項目(出典:住環境研究所「平屋住宅に関する調査 2016」より転載)

【画像2】平屋選択理由 上位10項目(出典:住環境研究所「平屋住宅に関する調査 2016」より転載)

専用庭やルーフバルコニー付きマンション、2階建ての減築という考え方も

平屋住宅を理想とする人は、マンションのような機能的な暮らしができて、庭を楽しむなど一戸建て特有の暮らしもできるという点で、平屋に対する評価が高いようだが、平屋を探すのが難しい地域などもあるだろう。

理想の暮らしを手に入れる選択肢は、実は意外に多い。
例えば、マンションでも「専用庭付き」の住戸であれば庭が楽しめるし、「ルーフバルコニー」などのバルコニーが広い住戸であれば鉢植えなども楽しめる。

今住んでいる2階建ての一戸建てを平屋に建て替えるだけでなく、「減築リフォーム」で1階建てに変えたり(平屋化)、2階の部屋数を減らして、生活する1階部分と収納などたまに使う2階の部屋などに機能を分けたり(疑似平屋化)といった選択肢もあるだろう。

50代・60代に人気の平屋だが、人生の後半戦をどんな場所で、どんな暮らしをしたいかを考えるのはもちろんのこと、今後の家計を考慮した予算のなかで、どういった選択をするのが自分たちにはベストか、しっかり考えるのがよいと思う。