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働く女性にとって、「妊娠したい」という気持ちや予定があることを勤務先に事前に伝えるべきかどうか、悩むこともあるようです。産休や育休で長期の休みをとると、業種や復帰後の働き方によっては配置転換などが必要なためです。

弁護士ドットコムライフに自身の体験談を寄せた女性の場合、「第2子妊娠発覚時、ハードな職場なので、妊娠検査薬使用後、すぐに報告したところ、第一声『軽率すぎる!』と言われました」と上司から批判されたことを打ち明けています。「他の人もいる前でその様な発言。場が凍りつきました。パートでも、前もって言って欲しいとのこと。ちょっと人間性疑いました。もちろん、祝福の言葉などありません」。

会社側には、妊娠を予定する女性従業員に配慮をしたいことや、配置転換の計画を立てておきたいなどの理由もあるのかもしれません。しかし、「妊活はじめます!」と報告を求めることに法的な問題はないのでしょうか。マタニティハラスメントの問題に取り組む雪竹奈緒弁護士に聞きました。

 ●「妊活」について、会社は一切介入してはならない

女性がいつ子どもを産むか、というのはきわめてプライベートかつセンシティブな問題です。会社が介入できることではありませんし、会社が許可をするものでもありません。

会社が妊活報告を求めることによって、女性側からすれば、自由に妊娠できない、妊娠を制限されていると受け止めることもあるでしょう。こうした行為は、マタハラ防止義務の「妊娠に関する就労環境を害する言動」にあたる可能性があります。

また、妊活はその背後に夫婦の性生活を連想させるものであることから、セクシュアルハラスメントにあたる可能性もあります。

なお、女性労働者が妊娠を理由に、軽易業務への転換や時間外労働免除等を請求する権利はありますが、妊活中の女性には、これらの権利が認められていません。よって、妊活をしたいという理由で女性側が配慮を求めても、会社にはそれに応じる法的義務はありません。

もっとも、6人に1人の女性が不妊症に悩んでいると言われている中、今後は不妊治療などに対する職場側の配慮についても法整備が検討されるべきでしょう。



【取材協力弁護士】
雪竹 奈緒(ゆきたけ・なお)弁護士
中央大学卒、2002年弁護士登録(第二東京弁護士会)。労働者側労働事件を多く取り扱う旬報法律事務所に所属し、労働事件、家事事件等を数多く手がけ、近年は特にセクハラ・マタハラなど女性労働者の権利に関わる問題に積極的に取り組んでいる。
事務所名:旬報法律事務所
事務所URL:http://junpo.org/