「たとえ無一文になっても、自分はいつでもお金を生み出すことができる自信がある」と語るのは、『大人女子のお金レッスン』(五丈凛華著、フォレスト出版)の著者。

和菓子職人から料理教室運営会社の営業に転職し、独自のマーケティング理論を確立して年間売り上げ全国1位を獲得したという人物です。

独立後は、起業家育成コンサルタントとして、500人に対し500 種類の起業モデルを提供し、独立をサポートしているのだとか。

つまり本書では、著者が15年におよぶ経験によって培った知恵や知識を明かしているわけです。

■5年後にリッチになれる人となれない人

「想像してみてください。5年後のあなたはなにをしていますか?」

著者はよく、この質問をクライアントにするそうです。そんなとき、男性よりも女性のほうがはるかに早く答えることができ、しかも、その描写はリアルなのだといいます。

「白い高級タワーマンションで夜景を見ながら、優雅にワインを飲んでいます」というような感じで、想像しているときも、とても楽しそうなのだそうです。

ところが、現実に戻ったとき「落差」に直面し、大きなダメージを受けてしまうのも、イマジネーション力が高い女性ならではの特徴。

年収1,000万円を夢見ていても、現実は300万円だったとき、「やっぱり私には無理」と簡単に結論を出してしまうことが往々にしてあるというのです。

特に、夢に描く自分ははっきりしていても、資金・環境・時間などの「現実的な制約」が立ちはだかったときに夢を諦めてしまいがち。

たとえば天然酵母パンのお店を開きたくて、味にも自信はあるのだけれど、場所がそもそも人のあまり通らない田舎で、しかも資金が足りない……というようなケースです。

イマジネーションの世界では空を飛ぶこともできるけれど、現実の世界では、道をまっすぐ歩いているだけでも石ころや電柱に当たってしまうもの。

■魔法のフレーズ「じゃあ、どうする?」

しかし、ここで著者は真っ当な指摘をしています。つまり、「現実とは“制約”があって当たり前」だということ。

起業とは、制約がある現実と向き合っていくこと。だとすれば、それをクリアできさえすれば、夢はどんどん実現していくというわけです。

とはいっても、想像力あふれる女性の思考は、理想と現実のギャップに耐え切れず「やっぱり無理」とフリーズしてしまいがち。

しかし、そんなときにオススメの「魔法のフレーズ」があると著者はいいます。しかも、それは驚くほどシンプル。なにしろ、

「じゃあ、どうする?」

だというのですから。

試しに、自分に対してこう問いかけてみましょう。

「お金はいまより欲しいけれど、方法がない。じゃあ、どうする?」

たったこれだけのことを考えるだけで、なんらかの映像が頭に浮かんだのではないでしょうか?

「会社で役職についている姿」「起業するためにセミナーに参加している姿」など、不思議とポジティブな映像が“答え”として出てくるものだというのです。

■イマジネーション力をプラスに活用する

女性がビジネスをするときに、思わぬところで足を引っぱるのが「イマジネーション力」なのだと著者は指摘します。

なぜならイマジネーション力は、ネガティブなことすら存分に映像化してしまうから。

しかし、「じゃあ、どうする?」と前向きな言葉を投げかけることによって、その力を“別の方法”を探し当てるために使えばいいということ。

たとえば、先ほどの天然酵母パンのお店の件、「田舎だし、お店を開く資金もない」という状況下で「じゃあ、どうする?」と考えてみれば、「お店を開かずに、通信販売をする」というアイデアに行き着くことも可能であるわけです。

■シンデレラは超ポジティブ思考だった?

ところで、どん底から成功への階段を一気に駆け上がることを「シンデレラ・ストーリー」といいますが、このことについて著者が興味深いことを書いています。

本当のシンデレラは、普段から超ポジティブ思考だったのではないかと推測しているのです。

義理の姉たちにいじめられながらも、前向きに生きてきたからこそ、舞踏会で王子様に見初められたのではないかということ。

そして、こうも記しています。

「じゃあ、どうする?」は、魔法使いのおばあさんが見すぼらしいシンデレラをお姫様に変身させた魔法の呪文「ビビディ・バビディ・ブー」と同じ、夢を現実にする力を備えたフレーズだと。

だからこそ、理想と現実の狭間で夢を諦めそうになったら、「じゃあ、どうする?」と自分を前向きにする魔法の呪文をかけるべきだといいます。

そうすれば、現実でなにをすればいいかがわかるようになり、「リッチな5年後」が近づいてくるというのです。

実際に「月給13万円」の現実から抜け出してきた人だからこそ、著者の言葉には強い説得力を感じるはず。いまよりお金を稼ぎたいという女性は、ぜひ読んでみてください。

(文/作家、書評家・印南敦史)

 

【参考】

※五丈凛華(2016)『大人女子のお金レッスン』フォレスト出版