素足の季節、「かかとのガサガサ」には正しいケアを!
執筆:Mocosuku編集部
監修:坂本 忍(医学博士)
放置していても普段はそれほど問題にならない「かかとのガサガサ」。しかし、知人宅で靴を脱いだときや、飲み会のお店が座敷だったとき、ヨガを始めて素足になったとき、エステやネイルサロンに行ったときなど、「しまった! 手入れしておけばよかった」と恥ずかしい思いをします。
一方、自己流の手入れで足裏がボロボロ、痛くて歩けない、という人もいます。やらなくても、やり過ぎても困ったことになる足裏ケアについて調べてみました。
約9割の女性が正しい「正しい足裏のケア」を行っていない
足裏の角質は軽石やヤスリを使って削るのが基本ですが、フットケアラボが行った調査*によると、多くの女性が正しいケアの方法を知らず、自己流で行っていることがわかります。
【質問】
「削るケア」の正しい方法について、理解していると思うか
【回答】
理解していない 43%
どちらかといえば理解していない 45.4%
どちらかといえば理解している 10.6%
理解している1%
【質問】
「削るケア」を正しい方法で行っているか
【回答】
行っていない 89.4%
行っている 10.6%
「理解していない」と「どちらかといえば理解していない」を合わせると、約9割の女性が正しい方法を理解していないという結果に。また、実際に正しい方法で行えているかどうかについても、約9割が行っていないという結果でした。
では、どのような方法でケアをしているのでしょうか。
*素足のケアに関する意識調査(フットケアラボ)
対象:20代〜50代の女性
有効回答数:414
期間:2012年4月13日〜15日
正しい足裏のケア :爪切り、ハサミ、カッター…危険なケアの実態
専用グッズ以外のものを使って、足裏の角質除去をしたことのある人は約4割。
彼女たちがどのような器具を使っていたかというと……。
【質問】
足裏の角質除去に使ったことがある、専用グッズ以外のもの
【回答】
爪切り 59.5%
ハサミ 50.3%
カミソリ 12.3%
カッター 6.1%
その他 14.7%
専用グッズ以外のものを使ったことのある人の内、半数以上が爪切り、ハサミの使用経験がありました。カミソリやカッターを使うという人もいます。一歩間違えば流血もあり得る危険なケアの実態が明らかになりました。
酸を使ったフットケアは、異変を感じたら即中止を
「削る」以外の方法でも、足にダメージを与える可能性があります。都内の消費生活センターに、酸を使ったフットケア商品を使用したところ足裏が傷ついて歩けなくなったという相談が寄せられました。
医療機関を受診した際、相談者の足の皮膚はベロベロにただれた状態だったといいます。薬品により、角質だけでなく深部の組織までもが剥がれてしまっていたのです。
この商品は酸を使って足裏の角質を取り、スベスベにするというもの。安全性に配慮して製造され、薬事法上の届出もされていましたが、使用者の体調や体質によってはトラブルが起きることがあります。
この相談者の場合、「痛みを感じながらもそのまま使用し続けた」といいます。異変を感じたらすぐに使用を中止することが大切です。
正しい足裏のケアは「削る」よりも「保湿」重視で
肌の角質は、いわば死んだ皮膚です。角質の古い細胞が新しい細胞に入れ替わることで、角質は自然に剥がれていきます。これを皮膚のターンオーバーといいます。
一見、不必要に思える角質ですが、乳液のような働きをもつセラミドなどの天然保湿因子を含み、肌を乾燥や外部刺激から守っています。従って、角質をすべて取り除こうとするとかえって皮膚を傷めることになります。
肌を傷つけない手入れの方法は、次の通りです。
1)入浴をして足裏の角質をやわらかくしておきます。
2)水分をふき取り、専用の軽石、またはヤスリで余分な角質を削ります。
3)保湿のためにボディクリーム、尿素クリーム、馬油などをかかとに塗ります。
乾燥はかかとのガサガサの原因になります。保湿をしっかりするだけでもガサガサ予防になります。角質を削ったあとは皮膚がダメージを受けやすいので、しっかりと保湿しておきましょう。
足裏の角質は自然に剥がれるのが理想です。手入れではそれを補うために少しだけ削るようにし、保湿によって皮膚をダメージから守るように心がけましょう。
長期間ガサガサが改善しない場合、実は水虫だったということもあります。どうしても気になるというときは、自己流でやり過ぎてしまう前に皮膚科を受診するとよいでしょう。
<参考>
足裏実態調査(フットケアラボ)
http://foot-lab.jp/findings/2012_05_24.html
酸を使ったフットケア商品で、足裏がただれて歩けない状態に!(東京くらしWEB)
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/sma/attention/2013.html