大根と鶏肉で栄養価が低減、柿とお茶で便秘……実はNGな食べ合わせ

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みなさんは「一緒に食べてはいけない」と言われる食べ合わせの悪いものとして、どんな組み合わせを思い浮かべるだろう? よく聞く組み合わせとして「鰻と梅干」はいい例だろう。だが、実際のところ、梅干しの酸味が鰻の脂っこさの消化を助けるため、むしろ食べ合わせとしては好ましいのだとか。このように昔からの迷信を含め、私たちが見聞きする「一緒に食べてはいけない食べ物」はたくさんあるが、本当に食べ合わせの悪い食べ物にはどんなものがあるのだろう?「教えて!goo」にも「悪い食べ合わせについて」と意見を募っている相談者さんがいたため、今回は実はNGな食べ合わせについて迫ってみたい。

■食べ合わせが悪いってどういうこと?

普段、「美味しい!」という食べ合わせは意識しても、食べ合わせの悪さまでは意識が回らない人も少なくないだろう。それこそ食べ合わせが悪いと聞くと、「えっ、一緒に食べちゃいけないってどういうこと!?」「どうしてその組み合わせなの……?」と、疑問を抱いてしまう人もいるかもしれない。

基本的なおさらいとして、そもそも「食べ合わせが悪い」というのは、どういう意味で「一緒に食べてはいけない」とされているのか。料理研究家の熊谷真由美さんに意見を伺った。

「漢方と薬膳では、使った食材や生薬の効果を最大限に活かすため、食べ合わせの相性を七つに分けています。これを『配合七情』といい、なかでも好ましくない食べ合わせを相悪(そうお)、相反(そうはん)と言います。相悪の方は栄養効果が減ったり、無効になってしまう食べ合わせで、相反の方は毒性や副作用が生じるものです」(熊谷さん)

なるほど。食材や生薬の効果を活かすうえでの相性の良し悪しが、食べ合わせの悪さ・良さであるならば、一緒に食べるのが好ましくない食べ物があることも納得である。

■栄養が低減、無効になる食べ合わせ

では、肝心の本題に移ろう。ズバリ、食べ合わせの悪いものはどんなものがあるだろう。栄養効果が低減、無効になる相悪で考えられる一例を挙げていただいた。

「例えば『高麗人参と大根』です。高麗人参は気を補う“補気”の働きがありますが、大根は“後気”と言って、気をめぐらせ排泄させるので、逆の効果なので相悪とされています。薬膳鍋などの時には気をつけたいですね。西洋栄養学的にも『大根と人参』は栄養を壊すと言われています。でも、なますのようにお酢を使うと防げるようです。また、薬膳では『高麗人参と大根』と同じ理由で『大根と鶏肉』『大根と山芋』の組み合わせは、栄養価が減ると考えられています」(熊谷さん)

個人的に大根と鶏肉、大根と山芋の組み合わせは良くないという事実に驚いた。

よく人参と大根がNGな理由は、人参に含まれる酵素が大根に含まれるビタミンCを破壊してしまうから、と聞いたことがある人も多いだろう。いずれも栄養が低減、あるいは無効になる食べ合わせであるため、料理の際は覚えておくと良さそうだ。

■副作用が生じる食べ合わせ

では、毒性や副作用が生じてしまう相反については、どんな食べ合わせが考えられるだろう?

「日本でも『蟹と柿』はよくない組み合わせとして知られていますね。体を冷やすもの同士なので、お腹を壊しやすい組み合わせです。薬膳では、『柿と茶』は便秘になる組み合わせです。また、フランス料理でもお馴染みのチーズフォンデュをいただく時は、ワインか紅茶でと言われています。『冷たい水とチーズフォンデュ』では、胃の中でチーズが分離して消化しにくくなると聞いたことがあります」(熊谷さん)

栄養が低減、無効になるどころか、体に副作用をもたらすとは恐ろしい。夏は冷えから下痢になってしまうことも少なくないため、くれぐれも注意したいものだ。

「昔からの言い伝えの中にはもちろん迷信もあります。ですが体調が悪い時に食べると体調を崩しやすいことから、その注意を呼びかけるものであったりするので、頭の片隅で覚えておくとよいでしょう」と熊谷さん。

私たちの体は、毎食の食べ物から作られている。そう考えると、食べ合わせの大切さがより実感できるのではないだろうか。

■専門家プロフィール:熊谷真由美
パリの料理専門学校ル・コルドン・ブルーにて最高免状(グラン・ディプロム)取得。身近な素材を華やか&ヘルシーに調理。ソムリエ・フランスチーズ艦評騎士でもあり、フランス菓子・フランス料理・ワイン・チーズの著書も。中医薬膳コンセイエとしても活動中。

柚木深つばさ(Yukimi Tsubasa)