日本と中国の高速鉄道がアジア各国で受注競争を展開しているのは周知の事実だ。インドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画では中国が受注したが、今度はマレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道が競争の舞台となる。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 日本と中国の高速鉄道がアジア各国で受注競争を展開しているのは周知の事実だ。インドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画では中国が受注したが、今度はマレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道が競争の舞台となる。

 日本と中国の高速鉄道市場における競争に対し、中国メディアの人民鉄道網はこのほど、中国高速鉄道は日本に「この上ない緊迫感」を抱かせていると主張する記事を掲載した。

 記事は「日本が中国高速鉄道に対して緊張感を抱いている」と主張した理由の1つとして「中国高速鉄道の発展のスピード」に言及。2003年当時、中国高速鉄道の歩みは国内外の強烈な疑いの声のなかで始まったと指摘、しかし「10年後に中国高速鉄道の営業距離は1万9000キロメートルを突破したと説明した。極めて短期間で世界最長の高速鉄道網を構築したことに日本が緊張感を抱いているとの主張だ。

 さらに別の理由として、「中国高速鉄道の総合的な技術力」を指摘。中国の国土は緯度差50度、経度差62度もあり、複雑な地質および気象条件が存在すると説明したうえで中国高速鉄道の建設や運営はさまざまな自然環境下で厳しく試されていると指摘。このことは「中国高速鉄道の総合技術の確かさを充分に証明しているもの」と論じた。

 記事はこうした理由により、中国高速鉄道は日本に「この上ない緊迫感」を抱かせていると説明しているが、シンガポールとマレーシアのクアラルンプールを結ぶ高速鉄道建設計画の受注競争が繰り広げている今、こうした要素は逆に中国にとって不利になる可能性もある。それは自信過剰だ。

 対戦相手の存在するどんな競争についても言えるが、絶対にしてはならないのが過剰な自信のもとで対戦相手を軽く見ることだ。中国高速鉄道がさまざまな自然環境下で運営がなされていることは事実だが、過去に重大な事故を起こした事実は消すことはできず、技術力をアピールするよりも過去を教訓として、再発防止のためにどのような取り組みを行ったかをアピールしたほうが効果的ではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)