28日、国連の山下真理平和構築支援事務所次長が記者会見。潘基文氏の後任の国連事務総長選びについて、「ロシアが選考に関してどの程度、東欧出身者を支援するかにかかっている」と言明。ロシアが推せばスロベニアやブルガリア出身候補が有利になるとの見方を示唆した。

写真拡大

2016年7月28日、国連の山下真理平和構築支援事務所次長が日本記者クラブで会見した。今年いっぱいで任期が切れる潘基文氏の後任の国連事務総長選びについて、「(安保理常任理事国の)ロシアが選考に関してどの程度、東欧諸国出身者を支援するかにかかっている」と言明。ロシアが推せばスロベニアやブルガリア出身候補が有利になるとの見方を示した。山下氏によると、10年前に潘基文氏が事務総長に選出された際は中国がアジア出身者を強く推挙したので、同氏が選ばれたという。

【その他の写真】

今、国連では次期国連事務総長選びがスタートしたばかり。12人が立候補しているが、7月21日の国連の安全保障理事会で、最初の模擬投票が行われ、元ポルトガル首相で、前国連難民高等弁務官のアントニアオ・グテレス氏、スロベニアの元大統領で国連大使や国連政務局の事務次長補も経験したダニロ・トゥルク氏、ブルガリア出身女性で、現ユネスコ事務局長のイリーナ・ボコヴァ氏がトップ3となった。

山下氏は、「トップ2人が男性で国連での経験が豊富な人が上位に来たが、本選考はこれから。候補12人の中から絞られる。時代背景から今回は女性が初めて選ばれるとも言われるが、地域バランスが重視される」と指摘。その上で、「前回2006年の選出では、中国がアジア出身者以外の候補は支持しないと断言したので韓国の潘基文氏が選ばれた」と明かし、今回は、ロシアが選考に関してどの程度、東欧出身者を推すかにかかっていると予測した。

山下氏は次期事務総長に望む資質について、「国連の理念に基づいて、政府だけでなく市民レベルでの連携もできる、力強いリーダーシップをもった人物がのぞましい」と要望した。

山下氏が情報収集調査室の政務官補佐として国連に入りしたのは1990年。「日本の貢献からすると、日本人職員は国連事務局に250人から300人ぐらいいてもおかしくないのに、私が入った25年前から、100人前後で変わらず、もったいない」と強調。「欧米的な思考回路の多い人が多く英語が公用語なのも影響しているかもしれない。チームの和を重んじて周囲に気配りをし、他人のことを考えられる日本人の性格は国際機関に向いている」と残念がった。

国連平和構築支援事務所(PBSO)は、2005年に紛争経験国での紛争再発防止を目的に設立された。(八牧浩行)