ジャック・ホワイトのレーベルが宇宙でレコードを再生。アナログ盤300万枚出荷記念の企画

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米国のギタリスト兼シンガー、ジャック・ホワイトが所有するインディーズ・レーベルThird Man Recordsが、アナログレコード300万プレス達成のイベントとして、高度9万4413フィート(約28.8km)で、アナログレコードを再生しました。再生したのは作曲家ジョン・ボスウェルが、天文学者カール・セーガンの語りをサンプリングして制作した楽曲「A Glorious Dawn」です。ジャック・ホワイトはカール・セーガンの大ファンで、2009年にYouTubeで「A Glorious Dawn」を見かけた際、すぐに楽曲と動画を制作したジョン・ボスウェルに連絡を取り、Third Man Recordsから12インチレコードとしてリリースしました。ちなみに、ジャック・ホワイトはカール・セーガンらが設立した惑星協会のメンバーにもなっています。

今回の企画は、ジャック・ホワイトが持つインディーズ・レーベルThird Man Recordsの7周年と、アナログレコード300万枚出荷達成を祝ったもの。ただ、高度約29kmの"ほぼ宇宙"でビニール盤を再生するためには、レコード盤の表面を金コーティングして熱による盤の反りを回避し、ヒートシンクのような形状をしたプラッターを用意する必要がありました。またトーンアームやカートリッジの部分も安定した再生のために十分な強度を備えたほか、高高度に到着しても再生を続けていられるようリピート再生機能も搭載しました。

 

 

動画では、地上から気球に吊り下げられたプレーヤーが大空へ舞い上がるシーンから始まり、成層圏に到達するまで延々1時間以上も繰り返し「A Glorious Dawn」が再生されます。周囲の景色に目をやると、よく見かける青い空と地平線だったのが次第に漆黒の闇と大気の青い層へと変わっていき、次第に宇宙空間が迫ってくるのがわかります。

突然、映像に変化が訪れるのが動画開始から約1時間23分の時点。それまでレコードボックスを引き上げてきたバルーンが突然木っ端微塵に破裂し、プレーヤーは地上へとかなり高速で降下しはじめます。トーンアームは端に回避して破損を防止するものの、プラッターはそのまま回転し続け、最後地面に衝突してもなお、回転するのをやめませんでした。

ジャック・ホワイトによると、今回のイベントはレーベルの販促や宣伝の企画ではなく、アーティストのイマジネーションやインスピレーションを解き放つための試みだったとのこと。惑星協会のメンバーでもあるジャック・ホワイトが、大好きなカール・セーガンの楽曲を宇宙へ運んだ瞬間に湧きだしたインスピレーションが彼の次の楽曲に生かされることに期待したいところです。

ちなみに、バルーンを使って物体を宇宙(の手前の成層圏)にまで送り込み。その映像を撮影するという試みはこれまでにも何度か実行されています。たとえば2014年には盆栽がほぼ宇宙空間へ送られていました。

下はオリジナルの「A Glorious Dawn」