【308/508 BlueHDi試乗】退屈知らずの走り!プジョーの新ディーゼルは◎

写真拡大

2016年のプジョーは、なかなか好調のようです。日本における6月までの販売台数は、前年同期比で約2割アップ。そして、欧州を中心に、すでに100万台以上のセールスを記録している最新ディーゼルエンジン搭載車を、ついに日本市場にも投入。ますます勢いが加速しそうです。

最新のディーゼルユニットが追加されたのは、プジョーの中核を担う「308」とフラッグシップである「508」。308は5ドアハッチバックとステーションワゴンの「SW」に。508は4ドアセダンとステーションワゴンの「SW」に設定されました。

プジョー 308 Allure BlueHDi

308SW GT BlueHDi

508SW GT BlueHDi

プジョーの最新ディーゼルは“BlueHDi(ブルーエイチディアイ)”と呼ばれ、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる窒素酸化物、炭化水素、一酸化炭素、PM(粒子状物質)といった有害物質を、3段階のステップに分けて除去、低減しています。結果、厳しいとされるヨーロッパの最新排ガス基準=ユーロ6と、日本のポスト新長期規制に適合しています。つまり、クリーンなんですね。

308SW GT BlueHDi

ちなみにBlueHDiは、窒素酸化物を除去する選択還元触媒に“AdBlue(アドブルー)”と呼ぶ尿素水溶液を使います。各モデルにはラゲッジスペースの下に尿素水溶液タンクが備わり、1年もしくは1万kmごとに販売店で点検、補充することになります。1補充当たりの補充費用は、5000円を上まわらない程度だそうです。

さて今の時代、クリーンなのは大前提として、気になるのは走り。クリーンだからといってパワーが貧弱では興ざめですからね。そこで今回は、主に走りに注目して最新ディーゼルを試してみました。

 <関連記事>
 【プジョー308GTi試乗】左ハン+6MTの古典派ハッチ。痛快な走りは想像以上!
 【MINI試乗】最新ディーゼル乗り比べ。3気筒と4気筒、エライのはどっち?
 【マツダ新デミオ試乗】改良版ディーゼルで静かさと力強さ、さらにアップ!

 ■スポーツカーか!? と錯覚するくらい気持ちのいい走り

BlueHDiには、1.6リッターと2リッター、2種類の排気量があります。どちらもターボチャージャー付き。

まずは、1.6リッターのSOHCディーゼルターボを搭載する「308 Allure(アリュール) BlueHDi」(299万円!)をドライブします。比較対象として連れ出したのは、従来から設定されている1.2リッターの3気筒DOHCガソリンターボを積む「308 Allure」(279万円)。

目指した箱根の山道は、結構な雨が降っていました。そんな悪条件下でまず感心したのは…。ディーゼル云々いう前に、308のアシが衝撃的に良かった! ということ。

プジョー 308 Allure BlueHDi

308はフロントにエンジンを積み、前輪で駆動するFF車です。ヘビーウエットの路面で感心させられたのは、前輪はもちろん、後輪がピタッと路面をつかんで離さないこと。4輪のタイヤをフルに使って走っている感覚があり、安心感抜群です。

しかも、タイトなコーナーで、走行ラインがじわじわとアウト側に膨らむアンダーステアを覚悟した瞬間が何度かあったのですが、“ESC(エレクトロニック・スタビリティ・コントロール)”の働きが極めて秀逸。

ESCは介入が必要と判断すると、エンジンパワーとブレーキをコントロールして、クルマの挙動を立て直し、ドライバーが意図した走行ラインをキープしようとします。そのキープ力は期待以上。心配したアンダーステアどころか、グイグイ曲がっていきます。安全を謳うアクティブセーフティプログラムではあるものの、308を驚くべきコーナリングマシンにしています。

そんなアシのいい308だからこそ、エンジンのパワーが活きてきます。1.2リッターのガソリンターボ(130馬力/23.5kg-m)も十分に力強く、十分にパワフルです。でも、1.6リッターのBlueHDi(120馬力/30.6kg-m)はさらにトルクフルで、山道ではトルクにモノをいわせてペースを上げられます。車重はガソリンモデル比で50kg増なのに!

しかも、アクセルを踏んだ時のレスポンスも上々。ターボが効くまでモッサリ、なんてことは全くありません。1.6リッターBlueHDiの十分なパワーとトルクを、優秀な308のアシが前へ進むトラクションと、コーナーを曲がるグリップ力へと上手に換えてくれるので、乗っていて全く飽きません。

これはスポーツカーなのか!? というくらい気持ちよく走るので、ついついハイペースになりがち。長い距離を下っていくワインディングロードでは、ペースが早すぎたのか、さすがにブレーキへの負担が大きいかな、と感じることもありました。無理せず、ブレーキをクールダウンさせながら走るのが、1.6リッターBlueHDiを積む308 Allureをドライブする時のマナーですね。

これだけ力強い1.6リッターに対し、2リッターのDOHCディーゼルターボは180馬力/40.8kg-mとさらにパワフル。一体、どんな走りを見せてくれるのでしょうか?

まず試乗したのは、ステーションワゴンの「308SW GT BlueHDi」。印象的だったのは、高速道路での走行フィール。追い越し車線にレーンチェンジしようとアクセルペダルを踏むと、軽やかに加速し速い流れに乗れてしまいます。率直なところ、1.6リッターBlueHDi以上に望むべきものがあるのか? と思っていましたが、2リッターBlueHDiのゆとりある走りは魅力。とりわけ、大人数で荷物も満載して遠出するようなシチュエーションでは、圧倒的に頼もしく感じられるはず。

308SW GT BlueHDi

この頼り甲斐ある走りの印象は、よりボディが重い「508SW GT BlueHDi」に乗り換えても揺るぎませんでした。ちなみに、308SW GT BlueHDiは1530kg、508SW GT BlueHDiは1700kgと、重量差は270kgもあるのですが、それでもエンジンの方が勝っているのでは? と思えるくらいにパワフル。まだまだ余力を感じさせるほどなのでした。

508SW GT BlueHDi

あえて主観で申し上げると、今回ドライブした3台のBlueHDiの中では、308 Allure BlueHDiがベストバイ、かと(今回、308 GT BlueHDiには乗れませんでした)。何せ、アンダー300万円で、力強いエンジンと軽快なフットワークのコンビネーションが手に入ってしまう! しかも燃費は、JC08モードで21.0km/Lと上出来(1.2リッターのガソリンターボは同18.1km/L)。

今回はフレンチキスだけでも上出来、と思っていたら、いきなりディープキスに持ち込めた! かのような衝撃。BlueHDiにメロメロになっちゃうドライバー、続出の予感です。

<SPECIFICATIONS>
☆308 Allure BlueHDi
ボディサイズ:L4260×W1805×H1470mm
車重:1340kg
駆動方式:FF
エンジン:1560cc 直列4気筒 SOHC ディーゼル ターボ
トランスミッション:6速AT
最高出力:120馬力/3500回転
最大トルク:30.6kg-m/1750回転
価格:299万円

<SPECIFICATIONS>
☆308 SW GT BlueHDi
ボディサイズ:L4260×W1805×H1465mm
車重:1530kg
駆動方式:FF
エンジン:1997cc 直列4気筒 DOHC ディーゼル ターボ
トランスミッション:6速AT
最高出力:180馬力/3750回転
最大トルク:40.8kg-m/2000回転
価格:378万8000円

<SPECIFICATIONS>
☆508 SW GT BlueHDi
ボディサイズ:L4830×W1855×H1505mm
車重:1700kg
駆動方式:FF
エンジン:1997cc 直列4気筒 DOHC ディーゼル ターボ
トランスミッション:6速AT
最高出力:180馬力/3750回転
最大トルク:40.8kg-m/2000回転
価格:464万円

(文/ブンタ、写真/グラブ)