宇宙に無数に存在する、複数の恒星がお互いを軌道運動している「連星」。そして今回ヨーロッパ南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡(VLT)が解き明かしたのは、白色矮星と赤色矮星が作りだす不思議な連星です。
 
地球から380光年先に存在するさそり座AR星(AR Scorpii)は最初は単一の星だと思われていましたが、今回の新たな観測により2つの連星であることがわかりました。それぞれの天体は一つが太陽質量の1/3の赤色矮星、そしてもう一つが地球サイズの白色矮星です。ただし、この白色矮星は地球質量の20万倍にもなります。
 
さらにさそり座AR星は通常の連星とは違い、白色矮星が猛烈な勢いで回転することで電子を光に近いスピードまで加速させています。そして加速された高エネルギーの粒子をまるで灯台のように周囲に放出し、赤色矮星を照らし出します。このような不思議な白色矮星の活動により、さそり座AR星は1.97分ごとに明暗の状態を繰り返しているのです。
 

 
現時点では、放出される高速な電子がどこからやってくるのかはわかりません。白色矮星からかもしれないし、もしかしたらより冷めた赤色矮星からなのかもしれません。
 
1970年代から、さそり座AR星の明るさの変動は観測されていました。しかしその時は、一つの星の内部物質が明暗の状態を作り出していると思われていました。ところがその後のアマチュア天文家による発見や、今回のウォーリック大学の観測によって今回の連星の奇妙な動きが判明したのです。
 
Image Credit: M. Garlick/University of Warwick/ESO
■White dwarf blasts lighthouse-like beam at its red dwarf companion
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