犯人追跡中に熱中症で殉職した警察犬「モージョ」

7月19日アメリカのテキサス州アーリントン市で、重罪犯を追っていた警察犬の「モージョ」が熱中症によって死亡するというニュースが報道されました。

亡くなったモージョは、アーリントン市警察本部のベルジアン・シェパードの雄の警察犬です。
彼は、2010年の2歳のときにアーリントン市警察に配属され、凶悪犯の逮捕や麻薬や証拠品の捜索などに貢献してきました。

7月19日、モージョは逃亡中の重罪犯捜索のため出勤し、モージョの担当の警察官と同僚の警察犬の仲間と共に犯人の行方を追っていました。
しかし、捜索してから1時間が経った時、急にモージョはあえいだりよだれを垂らしたりするなどの症状が出始め、そのまま倒れてしまいました。
すぐに相棒の警察官が病院に運びましたが、そのまま死亡してしまったそうです。
モージョの倒れた日のアーリントン市は、35〜36度まで気温が上昇していました。

アーリントン市警察はモージョの死亡について公表し、モージョの喪失は大きな痛手であると、悲しみの内容を伝えたそうです。

これは決して他人事ではない!

猛暑の中で活動すれば、人でも犬でもほんの短時間でも熱中症になる可能性があります。
人であれば服や帽子などで体温調整することもできますし、自ら水分を補給したり近くの人に不調を訴えることができますが、犬はどちらもできません。
だからこそ犬が「暑い」と訴えているサインを、飼い主は絶対に見逃してはいけないのです。

どんなときに犬は熱中症になる?

もし下記に当てはまることを夏の季節にしているのであれば、愛犬を守るために今すぐやめてください。
犬は暑さにとても弱いので、少しだけという甘い考えでも熱中症になってしまうかもしれません。

蒸し暑い中で車に置き去り閉め切った部屋で留守番炎天下の下で散歩蒸し暑い日に屋外で過ごす

人は汗によって体温調整を行いますが、犬の汗腺はおもに肉球にしかないため、うまく体温調整ができません。
そのため、舌を出してハァハァするなどの速く浅い呼吸によって、体温を調整します。
しかし、呼吸での体温調整は人のように効率の良いものではないので、犬は高温多湿に弱く、水分を十分に取れない場面では熱中症になりやすいのです。

熱中症の症状

熱中症になると体温が急激に上がってしまうため、口を大きく開けて苦しそうな荒い呼吸をしだします。
その他にも、よだれを大量に出す、嘔吐、下痢、一時的に倒れることもあります。
さらに悪化すると、筋肉のふるえ、意識が遠のき名前を呼んでも反応しなくなります。
その後、完全に意識がなくなったり、全身のけいれんが起こったり、吐血や血尿などが起こることもあります。

また、熱中症になりやすい犬種として、シーズーやパグなどの短頭種やハスキーなどの北国原産の犬、肥満気味な犬や子犬、老犬などがなりやすいといわれています。

熱中症の応急処置

体を冷やし十分な水分補給を!

熱中症のような症状が出たらすぐに涼しい場所に移動して、水をたくさん飲ませてあげましょう。
それと同時に冷水をかけるなどして、体温を下げさせることも大切です。
体温が39度まで下がったら冷やすのを止め、すぐに病院へ連れていきます。

もし意識がないほど症状が悪化している場合は、体温を下げさせながらすぐに病院へ連れていきましょう。
意識がなかったとしても何もせずに病院へ運ぶだけではなく、体を冷やすという応急処置を必ず行うことが大切です。

熱中症にならないためには?

留守番は室温が上がらないように!

風通しを良くしたり、エアコンを使用したりして、留守中も室温が高くならないようにすることが大切です。
ケージで留守番をする犬は、窓際の暑い場所やエアコンの風が直接当たる場所は避けるようにしましょう。
また、留守にする前に、飲み水が十分にあるか確認することも忘れずに。

車内に置き去りはダメ!

夏の車内はサウナ状態です。
少しの間だけだとしても、絶対に置き去りにしてはいけません!
外に出る用事がある場合は、必ず愛犬も連れていき日陰などの涼しい場所で待つようにしましょう。

散歩は早朝か夜に!

日中の散歩は熱中症の危険だけでなく、コンクリートの熱によって肉球を傷つけることがあります。
飼い主がコンクリートに5秒触ることができれば、愛犬を歩かせても大丈夫と言われています。
また、夏場の散歩は早朝や夜でも、普段より短くしてあげると愛犬への負担も少なくなります。

まとめ

アメリカで起きた警察犬の事件、猛暑の中で犬が活動すれば熱中症になることを、なぜ誰も気づかなかったのでしょうか。
以前も警察犬が車中に取り残され熱中症で死亡した記事を紹介したのですが、警察犬だけでなく犬に対しての配慮が欠けているように感じられて、毎回悲しい気持ちになります。

同じ生き物でも、人と犬では異なる部分がたくさんあるのに、それを理解しない人が犬と共に行動する資格はありません。
大事な存在であるならば、犬や猫やうさぎなど、共に過ごす動物のことを学ばなくてはいけないと私は思います。
犬たちは日々、飼い主が教えることを一生懸命に学んでいるはずです。
犬が人のことを学んでいるのに、人が犬のことを学ばないのはなぜでしょう。
死んでしまった警察犬の命を無駄にせず、どうすれば熱中症を防げたのか学び、その知識を次の警察犬へ生かされることを切に願います。
もちろん、私たち飼い主も今回のような悲しいことが起こらないように、十分に気を付けていきましょう。