Q:肥満気味で血糖値も血中の脂質も高めです。夏は脳梗塞が起こりやすいと聞きました。父が脳梗塞で亡くなっているので気になります。夏の脳梗塞予防についてアドバイスをお願いします。なお、お酒は好きでよく飲みます。(46歳・塗装業)

 A:脳梗塞は、夏の暑い時期にいちばん多くみられます。その主な理由は汗をよくかくから。暑いときや運動時には、体温を調節するために汗をかき、それによって水分が失われます。血液中の水分が減少すると、血液が濃くなります。濃い血液は固まりやすいので、脳梗塞を引き起こすリスクが高くなります。
 体の水分の不足、つまり脱水は、脳梗塞だけでなく、熱中症やエコノミークラス症候群も起こしやすくなります。

●汗をかかなくても水を飲む
 水分が失われるのは暑さや運動時だけではなく、不感蒸泄によるものもあります。これは気道や皮膚から蒸散し失われるもので、発汗は含まれません。
 じっとしていても水分は失われます。不感蒸泄の1日の量は、体重60の人で約900ml。しかも、体温が上がったり、気温が上がると、その量は増えます。私たちは、この不感蒸泄という水分の消失を意識する必要があるでしょう。
 高齢者の中には、暑い夏、クーラーをかけないで過ごし、熱中症になることがあります。たくさん汗をかかないので、水分の補給は必要ないと思うようですが、実は不感蒸泄のため体はかなり脱水しています。ですから暑い夏は、大汗をかかなくても、こまめに水分を補給しなければなりません。ご質問の方はお酒もけっこう飲むようですが、飲酒は脱水をもたらすため水をよく飲むことが大事です。
 脳梗塞の発症は、夜間就寝中と起床後2時間がいちばん多いといわれます。就寝前にコップ1杯程度の水を、朝起きて2時間以内に500ml程度飲むようにしましょう。
 不感蒸泄を考えるなら、暑さで寝苦しい夜は、我慢せずクーラーを使いましょう。
 一方で、血液循環のためには、適度に体を動かすことも大事です。なお、脳梗塞の予防のためには、肥満を改善することが基本です。

今井一彰氏(みらいクリニック院長)
山口大学医学部卒業。東洋医学などさまざまな医療を駆使し、薬を使わずに体を治していくという独自の観点に立って治療を行う。日本初の靴下外来も設置。