全世界規模で配車サービスを展開しているUBERが、多額の資金を投じて独自の情報を持つマップの作成に乗り出すことがわかりました。投資額は5億ドル(約500億円)規模と言われており、従来のGoogleマップよりもきめ細やかな情報を蓄積することが目指されています。

Uber to pour $500m into global mapping project - FT.com

http://www.ft.com/cms/s/0%2Fe0dfa45e-5522-11e6-befd-2fc0c26b3c60.html?ft_site=falcon&desktop=true#axzz4G2KnBxIJ

Uber is planning on investing $500 million dollars to map the world’s roads | The Verge

http://www.theverge.com/2016/7/31/12338268/uber-maps-investment-500-million

Financial Timesが報じた内容によると、UBERはこれまで自社のサービスを提供する際に利用していたGoogleマップに依存する体制から抜け出すべく、全世界規模で地図を作成するプロジェクトを開始。すでにアメリカとメキシコではマッピング用車両の運行が開始されており、他の国でも近いタイミングで同様の車両が走り始める段階にあるとのこと。

UBERはアプリを使った配車サービスとして全世界で注目を集めてきましたが、そのサービスの根幹とも言える地図データについてはGoogleマップを利用する形となっています。UBERではこの体制から脱却することを狙うとともに、Googleマップでは実現できていなかった「交通パターンの把握」や「建物のドアの位置など、乗降に便利そうな場所」などのデータを獲得することで、サービスに役立つ独自の情報を蓄積することを狙っているとのこと。さらにここには、ドライバーが乗車しない自動運転カーによるサービス提供を見据えたデータの取得も含まれているとみられます。



By Kirsten

GoogleマップやGoogle Earthの作成に深く関与していたBrian McClendon氏を雇い入れていることからも、UBERのマップ開発への注力がいかに本気かが伝わってきます。McClendon氏はUBERのブログで「もし、広範囲をカバーするインタラクティブなデジタル地図が存在しなかったら、UBERは存在しなかったでしょう」と記して、Googleマップの存在によって同社のサービスが誕生し得たことを語っています。

その上でMcClendon氏は、「既存のマップは、ビジネスを始める上ではよいものでしたが、その中には、海底の地形データのようにUBERにはそれほど役立たないものも含まれています。それよりも、交通のパターンや乗降にふさわしい場所、そして、Googleマップでは詳細な地図データが存在しないような場所でもシームレスなサービスを提供するために必要なデータが必要なのです」と、独自の取り組みを行う狙いについて述べています。

また、この背景にはGoogleがUBERに対して請求している地図データ使用料の増額も存在している模様。今後もさらに増額されることも考えられることから、UBERは今後を見据えた対応策として独自マップの構築に乗り出そうとしているとも見られています。

さらに、Googleがタクシー配車サービス本格参入へ動きを進めていることも、UBERの動きに拍車をかけているとも考えられています。

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マップデータに関してはGoogleマップに一日の長があり、UBERはこれを利用する形でサービスを提供してきました。かたや、配車サービスで街中をくまなく走り回ることで実際のサービスに必要なデータはUBERが多く取得していることから、今後のライバル関係が予測される両社に存在するそれぞれの「強み」がどのように形になって表れるのか興味深いところです。