国税庁の元税務調査官に聞いた「副業がバレる理由」が腹落ちすぎた件

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「副業」――この言葉には、どことなく秘密や秘め事、隠し事などのイメージが内包されている。試しに副業をやっているかどうかを誰かに聞いてみればわかるだろう。きっとその声のボリュームは、内緒話の如く小さくなるはずだ。では、なぜこんなイメージが定着しているかというと、その理由は簡単である。それは日本企業の多くが副業を禁止しているからだ。データにおいても明らかになっており、2014年に中小企業庁が発表した「兼業・副業に係る取組み実態調査事業 報告書」によると、副業を容認している企業はたったの3.8%だった。

副業は内緒でやるもの、こんなイメージが定着しているからか、「教えて!goo」でも「会社に内緒で副業している人」というタイトルで質問が投稿されており、そこでは、会社が副業を禁止しているかどうか、会社に内緒で副業しているかどうか、具体的にどんな副業をしているかについて問いかけている。

■副業禁止にも関わらず内緒で副業をしている人が多かった

先ほどのデータ通り、回答の多くが副業を禁止にしているのだが、それに反して興味深いのは、禁止にもかかわらず、その殆どが内緒で副業をやっていると答えている。

「個人事業主の知り合いの仕事をたまに手伝っています」(yamapitoreさん)

「ネットでの広告副収入」(0909nekoさん)

「マーケティングに関するレポートを書き上げる作業。とは言っても1本5〜6万円の世界ですけど」(localtombiさん)

「人間がやらずに放置しているだけの株取引、管理会社に任せっぱなしのマンション経営」(noname#67980さん)

禁止されているにも関わらず、何故副業をやるのか。この理由は、当然人それぞれだろうが、もしもバレたらどう対応するのか、という質問も含まれていたら更に意外な展開になったかもしれない。

■確定申告を忘れるとエライ事に!?

さて、本業でも副業でも、当然稼いだ分は税金を納めなければならない。ちなみに副業がそのまま自分の懐に入るかどうかは、その所得が年間20万円を超えるかどうかにある。もしもその基準を超えていたら確定申告をしないと所得漏れとなり重大なペナルティが課せられる。バレないと思ったら大間違いだ。今回は国税庁で元税務調査官としての経歴を持つ、松嶋洋税理士に話を伺った。

「税務署は常日頃から情報(「資料情報」などと言っています)の収集をしています。典型例は、法定調書と言われるものです。FXなどの一定の所得については、その取引の情報をFX業者が税務署に提供することになっています。このため、法定調書の対象になる所得を申告していなければ、税務署はすぐに分かります。加えて、取引先に税務調査が入った場合に、情報をつかむということがあります。特に、税務署は銀行を調査する中でいろいろな口座情報を見ていますから、副業的な収入がある口座については、申告があるかチェックしています。その他、税務署へのタレこみなどもあります」

取引先の調査から判明するとなると、当然その中にはアフィリエイト業者も含まれるだろう。つまりアフィリエイトを運営する会社に、一定以上稼いでいる人の一覧を貰えばいいのである。

元国税庁だった方がこのように言うということは「副業はバレない」という根拠の無い思い込みは、バレないで欲しいという単なる希望的観測に過ぎなかったようだ。もしも詳しいことが知りたい人は国税庁が「インターネット取引を行っている者の調査状況」という資料を発表している。興味がある方はそちらをご覧になってみてはどうだろうか。

●専門家プロフィール:元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は税理士として事務所を運営する傍ら税務調査対策のコンサルティングにも従事。

(森)

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