ポケモンGO「歩きスマホ急増」を一番怖がってる意外な人たち

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 こんにちは、少女マンガ攻略・解析室室長の和久井香菜子です。

 突然日本に上陸し、社会現象になった「ポケモンGO」。リリースしてから一週間ほど経ちましたが、あまりに大量のプレイヤーが一斉に「歩きスマホ」をしていることに一部では非難の声も。

 特に、筆者は障がい女子のための情報誌「Co-Co Life」のお手伝いをしていることもあり、SNSのタイムラインに流れてくるのは、そんな歩きスマホの急増に対する車いすユーザーの方々の不安の声です。

「これでまた歩きスマホが増えるのか……憂鬱」(40代・女性)
「車いすで轢いたことも轢かれたこともある者として歩きスマホ減ること願います」(20代・女性)

 と、不安を募らせているようです。

 歩きスマホは電信柱にぶつかるとか、何かにつまずくだけじゃなく、他人にとって脅威になることもあります。すぐに避けられない車いすユーザーにとっては、なおさらです。

 実際に車いすに乗っている方たちに話を聞いてみました。

◆車いすは真横に動けない

「特に、駅のコンコースやホーム、歩道を歩きスマホしている人がいると、避けられないので怖いです。電動車いすは100kg以上の重さがあるので、轢かれたらかなり痛いと思います。もちろん、そんなことをしたいわけではありません。身動きが取れない場所では、彼らが気付くまで動かずに止まっているしかないんです。まったく前を見ずに突進してくるので、どうしたらいいのかわかりません」(50代・女性)

「なにかの拍子にぶつかりそうになった時に、人は、真横にヒョイっと動くことができます。けど車いすは真横には動けません。前からぶつかりそうな人が来た……と思っても、そこで停止するか、後ろにさがるかしか選択肢がないんです」(30代・女性)

「人間の衝突は避けられても、カバンが顔面に当たったり、相手が車いすに躓いて転んだり、自分が避けようとして側溝に落ちそうになるなどの経験があります」(20代・女性)

「普通に前を見て歩いている人でも、車いすは目線が低いので気づいてもらえなくてぶつかることも多々あります。歩きスマホしてると余計に気づいてもらえないのかなと思います」(20代・女性)

 こんなにいろいろ衝突経験があると、歩きスマホをしている不注意な人たちのことはさぞかし怖いでしょう。

◆逆に怒られることも…

「ぶつかったあとに、ムッとした顔をされることがあるんです。こちらは止まって待っていたのに、『私が悪いのかな?』という気になってしまう。突進してきてぶつかって、私に気付いた途端『なんでこんなところにいるんだ?』っていう顔をされるんです。驚いて『すみません!』と言う人もいるので、その対応の差は歴然です」(40代・女性)

「以前、かなり強面の男性とぶつかってしまった時は、かなり怒られてさすがに怖かったです」(20代・女性)

「車いす対ナマの人間だと、ぶつかって痛いのは相手なので、街を歩くときは、こちらもかなり神経を使うんですが……。それでも避けらなくて終いに怒られたときは、さすがに怒りたくなっちゃいます」(10代・女性)

 それは怒っていいと思います!

◆2020年のパラリンピックに向けて

 20年ほど前まで、公共機関でベビーカーの使用はできませんでした。乗り入れるときに、折りたたまなければいけなかったんです。しかし利用者からの声により、現在ではそのまま乗り入れることが出来るようになりました。いまでは、ベビーカーの利用をとがめる人などいないでしょう。同じように私たちは、これから先、車いすユーザーがどんどん外に出て活動できる社会を作って行かなければいけません。

 視力が悪い人が矯正器具を使うのと同じように、歩行が困難な人が車いすを使うのは当たり前の権利です。

 なにより、2020年にはパラリンピックが来ます。その時には、何万人もの車いすユーザーが日本にやってくるでしょう。このままでは、どれだけの混乱が起きるか想像もできません。世界中からやってくる方々に「もう二度とあんな国には行かない」と評価されてしまったら、東京開催の意味がありません。あらゆる人に「日本はいい国だった」と思って欲しいものです。

 誰もが住みやすい社会のための、ほんの少しの気遣いを考えていきませんか。

<TEXT/和久井香菜子>