米国大統領の座を争う共和党トランプ氏と民主党クリントン氏。2人は「好感度」が低い点が共通、「嫌われ者」同士の対決だ。写真は米国の関連報道。

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2016年7月29日、今年11月の米国大統領選に向けて候補者が出そろった。共和党ドナルド・トランプ氏と民主党ヒラリー・クリントン氏。2人とも党の指名レースには勝利したものの、全般的に「好感度」が低い点が共通している。今回の大統領選は「嫌われ者」同士の対決の様相だ。

トランプ氏は共和党大会の指名受諾演説で、「米国が第一」「米国を再び偉大にする」と連呼。不法移民を阻止するため「国境に巨大な壁を築く」と繰り返し、国内で犯罪が増え、銃撃事件が相次ぐことを念頭に「治安の回復」を前面に打ち出した。その上で「私が大統領に就任する2017年1月20日から米国は安全になる」と強調した。

政策を語らず、イスラム教徒やエリート層、既成政治家などの「敵」をつくって有権者に訴えるトランプ氏。そんなトランプ氏を大統領候補に抱える共和党は、党内の亀裂が深刻だ。党大会にはブッシュ元・前大統領や党の重鎮は姿を見せず、最後まで指名レースを争ったクルーズ上院議員に至っては登壇したものの、「トランプ氏支持」は最後まで口にしなかった。

各国指導者は「内政干渉」になるのを恐れ、米大統領選には言及しないが、大半がトランプ氏の「当選」を望んでいないのは明らか。トランプ氏にエールを送るのはロシアのプーチン大統領ぐらいだ。

一方、8年前の民主党指名レースでオバマ大統領に敗れたクリントン氏は、満を持しての登場。「米国史上初の女性大統領」が売り物で、民主党大会で応援演説に立ったミシェル・オバマ大統領夫人は「クリントン氏のおかげで、私たちの子どもたちは女性が米大統領になることを当たり前のことだと思えるようになった」と期待を表明した。

しかし、やや新鮮味に欠け、オバマ氏が旋風を巻き起こした当時のような高揚感は全くない。特に現状に不満を抱く若者たちの期待に十分応えておらず、対立候補だったサンダース上院議員が善戦したのも、そのためだ。

オバマ政権の国務長官を務めたクリントン氏は、実業家のトランプ氏に比べ政治経験が豊富で安定感もある。クリントン氏が嫌われる理由について、米メディアは「仕事人間のイメージが強く、人間味が欠ける点が影響している」と指摘する。クリントン陣営も、そうした事情を意識。民主党大会の応援演説ではクリントン氏の人間性に焦点を当て、称賛する発言が相次いだ。

米CNNが25日に公表した大統領選の世論調査結果によると、支持率はトランプ氏48%、クリントン氏45%。CBSの共和党大会後の世論調査では、両氏とも42%だった。

最近の米大統領戦は接戦続きで、00年は民主党のゴア氏が一般投票の総得票数で上回ったが、大規模州で選挙人を得たブッシュ氏が初当選。現職のオバマ氏が2期目を目指した12年でも一般投票の得票率は50.5%にとどまった。11月8日の投票日に向け、第45代大統領を争うトランプ、クリントン両氏の予断を許さない戦いは本番を迎えた。(編集/日向)