男性諸氏は規則正しい睡眠を

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睡眠時間が長すぎたり、短すぎたりすると、男性の場合、糖尿病の原因である「インスリン抵抗性の上昇(インスリン感受性の低下)」を引き起こしてしまう、とオランダのアムステルダム自由大学医療センターの研究者らが発表した。

インスリン抵抗性は、インスリンが正常に機能せず、血中のブドウ糖が臓器や筋肉に取り込めなくなっている状態のこと。吸収されないブドウ糖はそのまま血中に残り続け、血糖値が上昇してしまうため、糖尿病発症リスクのひとつとされている。

運動不足や肥満、バランスの悪い食事などが原因とされているが、近年の研究で、生活習慣、特に睡眠不足が影響している可能性が多く示唆されていた。

そこで研究者らは、現在欧州で実施されている、インスリン抵抗性の大規模な疫学調査「European group for the study of insulin resistance (EGIR-RISC) study」から、糖尿病既往歴がない健康な30〜60歳の男女788人を抽出。

加速度計と時間計測から睡眠時間を算出し、糖尿病治療の際にインスリン抵抗性を測定するのに用いられる「グルコースクランプ検査」という精度の高い検査法でインスリン抵抗性の状態を調査。「7時間睡眠」を基準に、両者の関係を分析した。

その結果、睡眠時間が7時間より短いか、長すぎると、7時間睡眠の男性に比べ、インスリン抵抗性が上昇していた。

しかし、女性はその逆となっており、睡眠時間が7時間より短いもしくは長いと、インスリン抵抗性が正常な状態に改善されていたという。

研究者らは男女でまったく逆の結果になった理由については不明としつつ、「少なくとも健康な男性でも睡眠時間によって糖尿病リスクが上昇する可能性を示す研究は初めて」とコメントしている。

発表は2016年6月29日、米国内分泌学会誌「The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」オンライン版に掲載された。

参考文献
The Association Between Sleep Duration, Insulin Sensitivity, and β-Cell Function: The EGIR-RISC Study.
DOI: 10.1210/jc.2016-1045 PMID:27355399

(Aging Style)