『1週間で8割捨てる技術』(筆子著、KADOKAWA)の著者は、カナダで暮らしている50代のミニマリスト。

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と聞くと、いかにもミニマルな生活が身についていそう。しかし実際には20代のころからずっと、モノが中心の部屋に住んできたのだとか。

でも20代後半のあるとき、部屋にあふれるモノの多さに愕然とすることになり、それがきっかけで。「持たない暮らし」を目指しはじめることに。とはいえ、なかなかうまくいかなかったのだといいます。

現在は50代半ばにして“自分が中心”の部屋に住めるようになっているそうですが、そこに到達するまでの30年間は、モノを捨てたり、増やしたりの繰り返しだったというのです。

つまり、そんな経験を経てきたからこそ、本書が生まれたのだといえるかもしれません。

■シンプルな15分で「27個捨てる」方法

著者はここで、「いますぐなにかを捨てたくて、うずうずしている人」に最適な方法を明かしています。

アメリカの『FlyLady,net』という無料のお片づけお助けサイトの方法を参考に、片づけに利用していたという「15分で27個捨てる方法」というもので、やり方は次のとおり。

(1)タイマーを15分にセット

(2)ゴミ袋をつかむ

(3)タイマーをスタート

(4)家中を走り回って、捨てるものをゴミ袋に放り込む

(5)27個集まったら、袋ごと、ゴミ箱に捨てる

あまりにもシンプルなので驚きを隠せませんが、「15分で27個捨てる方法」は、「捨てる」加速がつくメソッドなのだといいます。

もったいなくて、モノがなかなか捨てられなかった人でも、「不用品だったら自分だって捨てられる」と自信を持ち、捨てる快感を味わうことができるというのです。

なお、捨てる27個はテーマを決めてもいいそうです。

たとえばゴミではなく、「その部屋にあるべきではないもの」や「寄付するもの」を集める、というようにするわけです。

著者も、27着の服、27枚のCD、27冊の本など、テーマを決めてモノを捨てたことがあったといいます。種類別にするとハードルが高くなるものの、捨てる効果は抜群だとか。

いずれにしても、ルールはできるだけシンプルに。やりすぎない手段で、とにかく15分間だけ捨て続けてみるといいそうです。

■誰でも必ず捨てられる6つの典型的なモノ

「27個捨てる方法」で手が止まってしまう人は、簡単なモノを捨てて、経験値を高めるのがいいとか。ちなみにどれほど捨てるのが苦手な人でも、必ず捨てられるモノがあるといいます。

たとえば次のようなモノが、典型的な「限りなくゴミに近いモノ」。

(1)明らかなゴミ

誰が見ても明らかなゴミは捨てられるはず。空のペットボトルから紙くず、残っていない調味料など、見渡せば多くのいらないものが見つかるはず。

(2)期限切れのモノ

調味料や乾物、缶詰などを入れてあるスペースをチェックし、賞味期限切れのものは手放すと決めてしまうこと。賞味期限切れの商品がたくさんあるのは、消費しきれない量をストックとして買い込みすぎているということなので、そこに気づくことが大切。

(3)サンプル、無料のモノ

化粧品売り場のカウンターやドラッグストアでもらったサンプルは、もし全然手つかずの状態だったなら、思い切って捨ててしまうべき。

重要なポイントは、無料でもらったモノは大事にしないという事実。そもそも自分が気に入って買ったものですら持て余しているのだから、無料のモノを入れておくスペースの余裕はないと考えるべきなのです。

(4)空き箱、あきびん、空き袋

これらは、「なにかに使えるかも」と思って保存しがち。しかし、そもそも本体(中身)を家に運び終わったら使命を終えるもの。パッケージがほしくて買ったわけではないので、3か月以内に使う見込みがなければ捨てるべきだという考え方です。

(5)壊れているもの

壊れたドライヤー、時間がどんどん遅れるめざまし時計、ヒビが入った鏡、ふちが欠けた食器、取っ手が取れてしまったお鍋など、部分的に壊れていて、だましだまし使っていたモノはすぐに捨てられるはず。

(6)ダブっているもの

同じものが2つ以上あったとしたら、使いやすいほう、好きなほうを残し、あとは捨ててしまうことが肝心。

とりわけ缶切り、ハサミ、ヘアブラシなどの雑貨は粗品でもらうことも多いので増えてしまいがちですが、引き出しのなかをていねいに調べ、間引き捨てをすることが重要だといいます。

上記からもわかるとおり、著者が勧める「捨てる技術」はとてもシンプルで実戦的。すぐに応用できるので、部屋をスッキリさせたい人は必読です。

(文/作家、書評家・印南敦史)

 

【参考】

※筆子(2016)『1週間で8割捨てる技術』KADOKAWA