■連載/コウチワタルのMONO ZAKKA探訪

今回紹介するのは厚みの薄い照明器具たちであるが、それも「意外な」薄さで私たちを驚かせる雑貨たちである。これまでの経験や常識から、私たちの無意識にモノの厚みというものを予測しているものだ。今回紹介する照明器具たちはいずれも、その予想を裏切ることでトリックアートを見たときのような不思議な気持ちに私たちをさせる。

■見た目は普通の卓上ライトだが…?『ZIGGi Bulbing Lamp』

ZIGGi Bulbing Lamp ZIGGi Bulbing Lamp

ZIGGi Bulbing Lamp ZIGGi Bulbing Lamp

横から見ると、ごく普通のシェード付卓上ライトに見える『ZIGGi Bulbing Lamp』。ところが正面から見てみると…厚みはたった5mmしかない。実はこの卓上ライト、平たいアクリル板の中に光を通すことで、目の錯覚を利用して立体的に見せるライトなのである。手書きのイラストでも、モノの曲面をラインで描くことで立体的な絵に近づくことがあるが、ちょうどそれと同じ原理だと思ってもらえればよいと思う。台座の面積分はデスク上を占有するものの、シェード…と思われた部分の厚みはなにせ5mmしかないので、非常にコンパクトな印象を受け圧迫感を感じることも少ない。しかも、平たい板なので収納するときは台座から外してしまえば、例えば本棚のような場所にも納めることが可能だ。LEDを使用しているので照明としての寿命は約5万時間とのこと。これは約6年間、使用し続けられることを意味する。実際には点けっぱなしにすることはないと思うのでその数倍の年月を共にすることができる。価格は税抜2万1000円。「MONOCO」のHPから購入することが可能だ。

■見た目は普通の電球のようだが…?『SQUIRREL CAGE LAMP/CLASSIC』

SQUIRREL CAGE LAMP/CLASSIC SQUIRREL CAGE LAMP/CLASSIC SQUIRREL CAGE LAMP/CLASSIC

同じくアクリルを使用した平たい照明器具にはこんなものもある。『SQUIRREL CAGE LAMP/CLASSIC』は、イスラエルを拠点に活動するデザイン会社「Sturlesi Design」が製作している平たい電球だ。先ほどの『ZIGGi Bulbing Lamp』と同じく、こちらもアクリル板の中に光を通している点は共通しているが、モチーフとなっているのはフィラメント電球。そしてこちらは天井から吊るして使用する点が異なっている。価格は250ILS(イスラエルシュケル)で日本円に換算すると6900円。日本までの配送料1100円と合わせて8000円で購入できる。購入は「STURLESIDESIGN SHOP」から行うことが可能だ。

■見た目はやはり普通の卓上ライトだが…?『recolte Lumiere』

recolte Lumiere recolte Lumiere

recolte Lumiere recolte Lumiere 

こちらもやはり幅の薄い卓上ライト。しかし、先ほどの『ZIGGi Bulbing Lamp』ほどには立体的に見せようという気はないらしく、卓上ライトのデザインだけを借用したユニークなデザインをしている。本体はアッシュウッドを素材とし、台座部分と関節部分に鉄を使用している。照明部分にはLEDを6球使用しており、縦に並んだLEDたちの厚みがそのままこのライトの厚みとなっている。台座部分のカラーラインアップはホワイトとグレーの2種類。価格は税抜2万2000円で楽天市場等で購入することができる。

■見た目はただの平たい板だが…?『Lumiere』

Lumiere Lumiere

Lumiere

クラウドファンディングサイト「Kickstarter」で資金を順調に集めていたものの、今年の2月にプロジェクトが中断になってしまっているこちらのライト。プロジェクトの再開は未定だが、意外な薄さを持った照明器具ということでここで紹介しておこう。『Lumiere』の最大の特徴はなんといっても細長い板のような姿をした本体デザイン。LEDが内蔵されているのは全長の半分程度で、残りの部分が台座となる。この台座部分は自由に折り曲げることができるので、本体の角度を自在に調整することができ、真っ直ぐ伸ばすことで収納も容易になる。フックのような形状にすればポール等にも固定できるので、クローゼット内の照明や、平面の場所が得られにくいアウトドアの場面でも使用できる。ところで先ほどアウトドアの場面と述べたが、その場合に懸念されるのが電源の問題。しかし、この『Lumiere』は2000mAhのリチウム電池を内蔵しており、USBを介した充電で最大40時間の使用に堪えられるとのことだ。しかも、6段階の明るさ調整のほか、色温度も選べるとのことなので、夜は温かみのあるオレンジの明かりを選択する、なんてことも可能だ。「Kickstarter」では119豪ドル(約9400円)で今年の2月まで資金を募っていたが、冒頭で述べたように現在プロジェクトは中断されている。

■見た目はまるで簾(すだれ)『recto-verso』

recto-verso recto-verso

recto-verso

フランス人のデザイナー BINA BAITEL氏が2015年に発表した照明『recto-verso』のデザインがとてもユニークだ。見た目はまるで簾のようになっており、丸めておいた本体を好きな長さだけ引き出して使用することを想定している。LEDが内蔵された部分を引き出して使用するため、引き出す長さでその光量を調節する仕組みになっている。2015年に発表されたプロダクトデザインでは、卓上ライト、フロアランプ、セーリングライト、ウォールライトといったバリエーションがお披露目されているが、基本的な構造はいずれも共通している。ちなみに使用されている有機EL、日本ではこのように呼ばれることが多いが、海外では一般的にOLED(Organic light-emitting diode)の名称で通っている。

■確かに薄い照明器具『PANAREA キャンドルスタンド』

PANAREA キャンドルスタンド

最後に紹介するのも確かに薄い「照明器具」だ。『PANAREA キャンドルスタンド』は1961年にイタリアの美術家 Bruno Munari氏によって製作されたキャンドルスタンドの復刻版である。使われている素材はキャンドルを受ける部分のガラスと、支柱・台座部分のステンレスのみ。特にステンレス部分は1枚の板を折り曲げてデザインされており、素材、デザインのいずれにおいても無駄のないシンプリシティが美しい。価格は税抜2万5000円で楽天市場から購入することが可能だ。

text/Wataru KOUCHI

趣味は合唱、読書、語学、旅行、美術館巡り、雑貨屋探索etc...日本、海外の雑貨やガジェット、デザインコンセプトの中から思わず「それ、いただき!」と言ってしまうモノ達を紹介するライター。

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