ヨーグルトだけじゃない!腸活には日本食の植物性乳酸菌が良い理由

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最近、健康や美容を考える上で重要なキーワードとなっているのが「腸内環境」です。食べもので腸を整える、“腸活”という言葉も耳にするようになりました。

腸に良い食べ物と言えば、ヨーグルトが浮かんできますよね?でも、実は日本の伝統食にも腸に良い食べ物がたくさんあるんです。今回はその植物性乳酸菌の良さと、食生活への取り入れ方についてご紹介したいと思います。
腸を大事にすることが健康と美容の要
現代の日本人は、腸の問題を抱えている人が多くいます。特に女性は便秘に悩む方も多いですし、ガンの中でも大腸ガンが部位別死亡率で第1位です(ちなみに男性でも3位)。

また、腸は免疫の6割を担っていると言われ、体の外から侵入してくる病原菌やウイルスと戦うリンパ球の約6割が小腸に集中して存在しているため、腸の調子次第で風邪などの病気にかかりやすくもなってしまいます。

さらに、「肌は内臓の鏡」と言われる通り、肌の状態は内蔵の状態を映していて、肌荒れやニキビなどが現れると、体の中が荒れている兆候。肌トラブルに悩む人は外からのケアだけではなく、体の中から働きかけることが大事になってきます。
腸がヨロコブ乳酸菌
そんな腸の調子を整えてくれるのが乳酸菌。乳酸菌は腸の中で乳酸を作り出すことにより、腸内細菌の中で悪さをする悪玉菌の働きを抑えてくれます。また、乳酸が腸の壁を刺激することにより、腸の運動を活発にし、便秘の予防にも役立ちます。

ちなみに、乳酸菌は胃酸や熱によって死んでしまう場合もありますが、たとえ菌が生きていなくても腸の中で善玉菌のエサになるなど、腸内環境にとっては良い風に働くことがわかっています。
乳酸菌には動物性と植物性がある
この乳酸菌は、動物性と植物性の二つに分けられます。

たとえば、乳からできるヨーグルトのように、動物性の原料に生息しているのが動物性乳酸菌。一方、野菜や大豆からできる漬物や味噌のように、植物性の原料には植物性乳酸菌という、性質が違う乳酸菌がそれぞれ住んでいます。
過酷な環境で育った丈夫な植物性乳酸菌
乳のように、栄養が豊富な環境で育った動物性乳酸菌に比べて、植物性乳酸菌は栄養分が少ない過酷な厳しい環境で生きてきた菌です。これによって、植物性乳酸菌は動物性乳酸菌に比べて丈夫な性質を持っています。

丈夫というのはつまり、食べた後に胃や腸から分泌される消化液にも負けないということで、生きたまま腸に届く割合が多いことがわかっています。

先ほどお話したように、乳酸菌は死んでも腸にとって良い働きはしますが、それでも生きたまま腸に届く割合が多い方がより有益だと考えられていますので、植物性乳酸菌はより腸内細菌改善に有効だと言えます。
日本の伝統食を見直して、植物性乳酸菌を取り入れよう
このように、“腸活”を考えるなら動物性乳酸菌だけでなく、植物性乳酸菌もうまく活用していきたいですよね。実は、日本人が古来より食べてきた伝統的な和食の中には、植物性乳酸菌を豊富に含んだ食材がいっぱいあります。

たとえば、味噌や醤油、漬物。こういったものに植物性乳酸菌は豊富に含まれています。どれも毎日食べても飽きの来ない日常の定番食です。

最近の研究でわかってきたのは、腸内細菌の種類や割合は民族によって大きく異なっており、その地域で長年培われた食文化が大きく関係しているということです。

日本人は昔、ヨーグルトを食べていませんでしたが、腸のトラブルは現代人より圧倒的に少なかったようです。そう考えると、日本人は動物性乳酸菌の摂取が増えて植物性乳酸菌の摂取が減ってしまい、それによって腸の調子も悪化してきたと考えられます。実際に、先ほど紹介したような日本の伝統食が食卓に上る機会は激減しています。

もともとは、食材を長く保存して、風味を向上させる方法として発達した発酵技術。それによって植物性乳酸菌という副産物ができたことにより、日本人の腸は健康を保ってきました。

今一度、その良さを見直して日常の生活の中で賢く乳酸菌を取り入れ、日々の健康作り、美容に活かしてみてはいかがでしょうか。

<プロフィール>

圓尾和紀

管理栄養士。ファスティングマイスター。総合病院勤務を経て、「予防医療に貢献したい」という思いから独立。「日本人には和食が一番身体に合っている」との考えから、和食の良さを伝える活動をしている。また、現代は“不自然な食べもの”にあふれており、定期的に身体をリセットする目的から、ファスティングを取り入れた生活の提案を行う。テレビや雑誌等のメディアにも出演。

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