高い所を怖がらない子どもが急増中? 「高所平気症」とは

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執筆:Mocosuku編集部
監修:坂本忍(医師)


高いところに登ると安全な場所であっても「落ちてしまうのではないか」という不安がつきまとう恐怖症のひとつを「高所恐怖症」と呼びます。これはみなさんよくご存知だと思います。
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反対に、危険だと思われる高い場所であっても自ら登っていき、さらに飛び降りてしまうことを「高所平気症」と呼ぶようです。
「高所平気症」は特に最近の子どもの間で急増していると言われています。いったいどうしてでしょうか?またどのように対策をすればいいのでしょうか?

「高所平気症」とは

高所平気症は高いところに対する恐怖心の薄いことで、主に危険かどうかを判断できない年齢である子どもに発症します。

立体的なものに対する感覚が未発達なため、危険だとわかるような高いところに意識的に足を運び、のぞきこんだり飛び降りたりしてしまいます。好奇心のために行動が予見できない可能性が高く、とても危険です。

転落事故も絶えない

東京消防庁によると、平成23〜25年の間で乳幼児が高所から転落する事故は65件発生しています。昨年7月にも、都内にあるマンションに住む母親が1階にあるコンビニへ出かけている最中に、マンションの12階で留守番をしていた4歳の女の子が、ベランダから転落死する事故がありました。

「高所平気症」の子どもが増えたのはどうして?

子どもが高い場所かどうかを判断する感覚は、一般的には4歳ごろまでに発達すると言われています。これは、自分の目線の高さを基準にして地面との距離が高いかどうかを判断していくことで身に付きます。

しかし、最近ではマンションで子育てをする家族が増えているため、空に近い景色は目で見えていても、地面が見えないことが多く高い場所が危険であるという感覚が育ちにくいのです。

「高所平気症」の子どもの事故を防ぐためには

子どもだけを部屋に残さない


子どもは親が自分の見える範囲からいなくなった途端に不安になり、探そうとすることがあります。このとき、自分の親が外にいるとわかればベランダに出て探したり覗いたりすることもあるのです。

少しの時間であっても、事故を起こす可能性があります。高い場所が危険だと認識できない年齢のうちは、子どもだけを室内に残さないようにしましょう。

地上で遊ぶ機会を増やす


前述したように、マンションで育つ子どもが増えたことにより、高い場所が危険かどうかの判断が鈍っている子どもが多くなっています。小さい頃からジャングルジムや滑り台など、地面が見える範囲の高い遊具で遊ぶと、高さに対する子どもの感覚もきちんと身についていくでしょう。
室内ばかりでなく地上で遊ぶ機会を増やすことも大切です。

ベランダに物を置かない


大人では危険だとわかることでも、高所平気症の子どもは試してしまいます。ベランダに椅子や机を置いておくと子どもがよじのぼることがあるので注意しましょう。

また、エアコンの室外機であってもよじのぼる可能性があるので、幼いうちは子どもをマンションのベランダに出さないようにし、ベランダで遊ぶ習慣を持たせないことが大切です。そのためにも、ベランダに物を置かないようにしましょう。


子どもの事故を予防することができるのは大人だけです。周りの大人が気を配り、転落死などの悲しい事故をなくせるようにしたいですね。