ブラジル戦の日本の予想布陣。システムは4-2-3-1で、1トップはオーバーエイジの興梠、2列目は南野、中島、矢島のトリオが並びそうだ。

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 リオ五輪本大会前のラストゲームで対戦するサッカー王国ブラジル。現地時間30日の16時30分(日本時間31日4時30分)にキックオフ予定のこの試合を前に、ロジェリオ・ミカレ監督は、前日記者会見でネイマールのスタメン起用を明言した。

 他にもマルキーニョス(パリ・サンジェルマン)とラフィーニャ(バルセロナ)の欧州組、ガルリエル・ジェズス、ガブリエルの強力アタッカーらほぼベストメンバーで臨むことを明かしており、“最終テスト”としては申し分のない状況だ。
 
 ブラジル戦の意義について、手倉森監督はこう説明する。
 
「強豪国との対戦で相手の強さを思い知らされてみたいなと。自分はこのオリンピック、耐えてしか勝てないと思っているので、耐える練習をしたい。ブラジルはスピード、パワー、華麗なパスワークが注目されますけど、本来得意なのはカウンターで、その速さは大会随一。それを体感しておけば、ナイジェリアのスピードに面を食らわずに済むし、ブラジルだって試合をコントローするはずで、遅攻と速攻の対応法も学べる」
 
 個々の能力では、やはりブラジルのほうが1枚も2枚も上手だ。1対1で守るのではなく、連動した守備でボールホルダーに厳しくプレッシャーをかけ、「シンプルに球際で戦う」(遠藤航)こと。そして、攻守の切り替えを早め、速攻に持ち込めるかがポイントのひとつになる。
 
 スタメン全員を予告したブラジルに対し、手倉森監督も記者会見で「基本的にビブスを着てないほうが(先発)メンバー」と応戦。指揮官の言葉に倣えば、システムは4-2-3-1で、興梠慎三、南野拓実、中島翔哉、矢島慎也、原川力、遠藤航、藤春廣輝、植田直通、塩谷司、室屋成、中村航輔の11人となる。
 
 GKは所属クラブでレギュラーとして活躍する中村だ。27日のセルジッペ戦でも、出場した後半45分間を無失点に抑えている。強力な攻撃陣を擁するブラジルに得点を与えない好パフォーマンスを見せれば、本大会を前に櫛引政敏から守護神の座を奪う格好のアピールになる。
 
 CBの岩波拓也が万全の状態でないこともあり、塩谷と植田がコンビを組む。SBは室屋と藤春のふたりだ。この4人で形成する最終ラインが粘り強く守ることができれば、ブラジルにも焦りが出て隙が生まれるはず。

 また、手倉森監督は「数少ないチャンスでボールを持った時に、相手を少し横にスライドさせて幅を持たせたい」と話しており、両SBがどのタイミングでオーバーラップを仕掛けられるかもポイントになるだろう。
 大島僚太が発熱と下痢から復帰したばかりで欠場予定のボランチは、不動のキャプテン遠藤と原川が名を連ねる。いかに中盤でブラジルの攻撃の芽を摘むかは、日本が好結果を掴むうえで必要不可欠。ゲームメーカータイプの原川にも、守備での貢献が求められる。
 
 2列目は「10番」の中島がトップ下を務め、南野と矢島がサイドを固める。ミニゲームで矢島が1タッチプレーを織り交ぜながら右サイドを駆け上がり、チャンスを作りかけた場面は、日本が“目指すべき形”のひとつ。CFの興梠に収めることに固執せず、2列目は裏を狙ってどんどん飛び込んでいきたい。
 
 最後に1トップは、オーバーエイジの興梠だ。セルジッペ戦でチーム初得点を挙げたストライカーは、久保裕也の派遣拒否問題もあった前線の基準点として日に日に重要度が増している。手倉森監督は、スピードのある浅野を流れを変える“ジョーカー”として残しておきたい意図もあるのだろう。興梠は「一番大事なのはナイジェリア戦。オーバーエイジが入ってまだ日も浅いので、(ブラジル戦は)良い意味で課題がいっぱい見つかればいい」と位置付ける。
 
 8月4日のナイジェリア戦を前に、アピールに成功するのは誰か。ブラジルとの一戦で自信を得て本番に挑むためにも、勝利という結果を残したい。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト特派)