稲垣さんが夏に愛用するのが綿素材のノースリーブ。涼しげな格好だ(撮影/石野明子)

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 夏の暑さをどうやってやり過ごせばいいのか。本誌連載でもおなじみ、エアコンも冷蔵庫も使わない超・節電生活を送る稲垣えみ子さんに、読者の質問に答えてもらった。

Q1:暑い夏は仕事に来ている方が涼しいから好きです。仕事を辞めてから、会社は涼しいからよかったなんてちょっとは思いますか?
(団体、女性、46歳、首都圏でマンション暮らし)

A:いや〜全く思いません!(笑)。冷え性なので、ネクタイを締めたままガンガン冷房を利かせたがるおじさまとの闘いに終止符を打ちホッとしています。何より暑い夏が嫌いじゃありません。っていうか震災後に冷房を止めてから暑さが好きになりました。喧嘩しないと決めた相手のことは好きになるしかない。そのためには先入観なく、よく相手を観察すること。すると暑いからこそ「涼しさ」があるということがわかる。一陣の風。木陰の幸福。快不快はいつも隣り合わせ。不快のないところに本当の快は存在しないのだよ。

Q2:服装はどんな素材やデザインのものを着ていますか?
(教育、女性、53歳、地方都市郊外アパート住まい)

A:ノースリーブに短パン的な(笑)。手足をのびのび露出できるのも夏の楽しみ。しかし超薄着ができる期間は意外に短く梅雨明けからお盆まで。そう思うと猛暑も愛しいのです。素材は綿が中心。

Q3:給料が減りモチベーションが下がってるのでお金を使いたくありません。家にいながら涼しく、さらに痩せられる夢のような節約術を教えてください。
(金融、女性、48歳、横浜の一軒家)

A:これは深い質問ですね。現代人のお金に関する誤解と混乱を象徴しているように思います。給料が減ったと嘆いているということは、お金を使うことがあなたにとってハッピーなんですよね? それなのに節約することが「夢のよう」とはこれいかに。肝心なのはハッピーになることでしょう。お金を使わなくても外出で涼しくなることもできますよ。図書館へ行ったりホテルのロビーに行ったり。まあ私は家にいても涼しいですが。打ち水をしてみたり、ガラス窓にペッタリと背中をくっつけたり、硬い床に寝転がったりして「わあ涼しい〜」と喜んでいます。それ自体が娯楽なのでお金を使わなくても毎日楽しいです。そんなアホな話をすると喜ばれるので友達も増えます。つまりお金とか電気がなくてもハッピーは手に入る。痩せるのには余分なものを食べないこと。これもお金はかからない。まあわかっておられると思いますが。

Q4:夏の夜はどうしたら涼しく眠れるでしょう? 暑さで2、3時間おきに目が覚めてしまいます。2階に住んでいるので窓を開けたくありません。
(製造業、男性、地方都市のアパート)

A:オススメは二つ。ハッカ油スプレーを顔や体にかけることと、先ほども書きましたが硬い床に寝ることです。でも窓を閉めて熱帯夜を過ごすにはやはり電気が必要。不安な世の中こそ省エネの真の敵です。

Q5:熱帯夜、喉の渇きを潤すのにおすすめの飲み物はなんですか?
(マスコミ、女性、41歳、マンション暮らし)

A:白湯を常用しています。梅干しを入れた湯や番茶も爽やか。基本は健康です。健康であれば暑さ寒さにも強くなる。冷たい飲み物は体に負担が大きい。お酒もビールじゃなくて熱燗です。

Q6:調味料の貯蔵はどうされるのでしょうか?
(金融、女性、52歳、関東の一軒家)

A:よく聞かれるのですが、ちょっと不思議な質問です。日本の伝統的調味料は発酵という知恵により冷蔵庫のない時代に長い時間をかけて出来上がったものばかり。従って常温貯蔵です。

Q7:夏バテを防ぐために積極的に召し上がる食材は?
(主婦、46歳、田舎の一軒家)

A:ナスやキュウリやトマトやゴーヤなどの夏野菜(夏は激安)。赤味噌も暑い日こそうまい。従って夏野菜を使った赤味噌の味噌汁があれば十分。手間も金も不要。これも暑さの贈り物です。

AERA 2016年8月1日号