低脂肪、無脂肪、加工乳……「牛乳」の違いとは?ダイエットに向くのはどれ?

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昔から牛乳はカラダに良いといわれているが、最近では「成分無調整牛乳」から「乳飲料」まで多くのカテゴリーに分類されている。どれが一番栄養があってカラダに良いのだろう? 購入の際にふと気になったことはないだろうか。「教えて!goo」にも「乳製品の種類別表示について」との質問が寄せられている。専門家に聞いた。

■「牛乳」を名乗れるのは一部の商品だけ

お店の牛乳コーナーをみると、「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」「加工乳」など様々な種類に分かれた商品が並んでいる。乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)にそれぞれ規格が定められているので、管理栄養士の角井美保さんに説明してもらおう。

角井さんは「日本では生乳(せいにゅう)と呼ばれる牛から搾ったままの無殺菌ミルクをそのまま販売できません」と前置きする。食品衛生法で禁じられており、必ず加熱殺菌などの処理を施しているそうだ。

そして、種類別「牛乳」と容器に表示するには、生乳100%かつ成分無調整という厳しい条件を課せられる。「水1滴さえ加えてはいけません」と角井さん。さらに無脂肪固形物や乳脂肪分の割合も定められているという。本当に「牛乳」と呼んでいいのは「成分無調整牛乳」と表示されている一部の商品だけだった。

以前は生乳以外のものが入っていても「牛乳」の表示が許されていたが、十数年前に発生した集団食中毒事件をきっかけに規制が厳しくなった。この事件では当時「牛乳」として流通していた多くの商品が、実は脱脂粉乳で作ったものであったことが広く知られることになった。

種類別「牛乳」は、自然に近い味を求める人にはオススメだが、「乳牛の品種、個体、飼料、地域、季節、泌乳期などで変動があり、夏場は薄い飲み口に感じる方もいます」(角井さん)という面があることはご承知おきを。

■成分調整牛乳と加工乳

次に「成分調整牛乳」の説明に移る。「原材料は、生乳のみで乳成分の一部を除去したもので、無脂乳固形分8.0%以上含むもの」(角井さん)とのこと。そのうち乳脂肪分が0.5%以上1.5%以下のものが「低脂肪乳」、乳脂肪分が0.5%未満のものが「無脂肪乳」になるそうだ。

そして「加工乳」には、生乳に上記の牛乳や成分調整牛乳のほか、いわゆる脱脂粉乳やバターなど様々な乳製品が加えられている。「無脂乳固形分8.0%以上含むものとの規定はあるが、乳脂肪分の規定がないので、乳脂肪分を少なくした低脂肪タイプと、逆に濃くした濃厚タイプがあります」(角井さん)。成分を除去するのではなく加えているので、商品のバリエーションも増える。

さらに乳製品以外の成分を加えたものが「乳飲料」となる。「乳固形分が3.0%以上含まれているものとする規定はありますが、果汁や甘味のほか鉄分やカルシウムなど栄養強化した商品も存在します」(角井さん)

■ダイエットに良いのは……

ちょう健康オタクを自認する角井さんにダイエットに向いた牛乳を尋ねたところ、返ってきたのは「乳飲料」に属するタンパク質とカルシウムを強化したある商品だった。「少量で高栄養。乳脂肪分を通常より60%カットした低脂肪タイプなのに美味しい。美味しくないと続けるのは難しいですよね」と大絶賛だ。

乳酸菌と食物繊維が入ったタイプもあるそうで、「腸内環境を整えて体の中から綺麗にダイエットできるといいですね」と笑顔。ただし「乳酸菌ビフィズス菌は熱に弱いので、ホットミルクにしないほうがよいです。どうしても温めたい場合でも50度を超えない範囲にしてくださいね」とアドバイスをくれた。

自然に近いものほど健康に良いと思いがちだし、価格も高いのだが、メーカーが工夫を凝らす余地のある低価格のカテゴリーも侮れないようだ。

ここでおさらい。ここまで紹介した乳等省令で定められたカテゴリーは「牛乳」「成分調整牛乳」「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」「加工乳」「乳飲料」の6つ。最後に残ったカテゴリーである「特別牛乳」について説明する。

■超セレブな牛乳!?「特別牛乳」の正体

「全国で4か所のみで製造され、極めて限られたルートで販売されています。優れた飼育環境や特別な処理施設が必要で、国からの許可がないと製造できません」(角井さん)とのこと。

国がここまで細かくカテゴリーを決めるのも、それだけ牛乳が優れた飲料である証。「特別牛乳」を店頭で見掛けることはまずないと思われるが、お取り寄せは可能。価格もそれなりなので、我こそはセレブという人は挑戦してみては?

●専門家プロフィール:角井美保
神奈川県横須賀市出身。管理栄養士のほかフードコーディネーターや健康管理士、食育指導士の資格を取得。中型トラックを運転するなど、個性的な管理栄養士。

(武藤章宏)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)